新エネルギー基本計画で「2030年の電源の20%~22%は原発で」と閣議決定し、2030年でも原発の存在にお墨付きを付けた政府。いよいよ原発推進へ暴走を始めた。
まず20%~22%という意味は、原発約30基の稼働を認める数値であること。どこに「原発依存度を可能な限り低減させる」姿勢があるのか。2050年においても「脱炭素化の選択肢」として延命をにおわせている。
原発産業界にとって万々歳の基本計画だ。原子力規制委員会メンバーの入れ替わりで「中立性」にも不信感が出始めている。
東京電力福島第一原発事故の甚大な被害、今も続く避難生活者の存在や汚染され有害として事実上、国土を失ったに等しい「帰還困難区域」をつくり出しているにも関わらず、経産省は原発産業界(民間企業)と『新たな原発開発に向けた協議会を設置する』検討を進めているという情報が出てきた。
テレビ朝日が報じた内容では経産省幹部筋の情報として「協議会は電力大手、原子炉メーカー幹部をメンバーとする方向」としている。
「低コストで、より安全性の高い原発」の開発を目指すというのだが、なぜ、新増設を認めるような土壌をつくるのか。
政府が取りくむべきは「廃炉の技術開発」「廃炉の人材育成」のはず。原発は稼働40年で廃炉が原則。例外でも60年の運転。その先はない。一説によると、原発30基の稼働には12基程度を60年稼働にする必要があるのだとか。そこまでして生き残りを保証するより、原発の新増設を認めず、依存度を着実に少なくし、スムーズな廃炉に入っていく環境づくりこそが必要だ。
政府は原発ムラや経団連の利益誘導機関であってはならない。国民のための政策を行うことが責務。福島第一原発事故の反省の上に、原発ゼロに近づける努力をこそ示すべき。一連の政府・自公の動きをみていると今は国会での野党のチェック機能力強化こそ必要だし、切望される。暴走する問題点を浮き彫りにすることで世論を味方に、政府、自公の暴走にブレーキをかけるほかないのが『原発』『IR』『参院6増の公選法改正』などなどだ。来年夏の参院選挙で衆参に『ねじれ』を生み出すことが暴走を止める最大ブレーキになるのだろう。(編集担当:森高龍二)