原発廃止も可能だが、判断は司法の役割超える?

2018年07月05日 17:59

 関西電力大飯原発3、4号機運転差し止め訴訟の控訴審判決が4日、名古屋高裁金沢支部であり、運転差し止めを命じた福井地裁の一審判決を取り消した。判決では「福島原発事故の被害に照らし、原子力発電そのものを廃止することは可能だろうが、その判断は司法の役割を超えており、政治的な判断に委ねられるべき」などとする司法判断放棄の姿勢も見られた。

 社会民主党の吉川はじめ幹事長は「司法の役割を放棄するのではなく、原発への不安から司法救済を求める住民の願いに答えるべきだった」と提起するコメントを発表。

 吉川幹事長はコメントで「社民党は他の野党と共同で衆議院に『原発ゼロ基本法案(原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案)』を提出している。改めて大飯原発の問題点を徹底追及する」と原発ゼロ社会実現へ努める姿勢を示した。

 コメントの中で吉川幹事長は「いったん事故が起きれば福井県だけではなく人口集中地帯の関西圏全域に甚大な被害を及ぼすことは必至。関西電力は大飯原発3、4号機で通常のウラン燃料による発電より危険と見られるMOX燃料を使うプルサーマル発電について検討していることを明らかにしている。経済的利益のために人の命と尊厳をないがしろにすることは許されない」と指摘した。大飯3号機は今年3月から、4号機は5月から再稼働している。(編集担当:森高龍二)