今年は全国各地で例年よりも早いセミの初鳴きが観測されている。気象庁の発表では、今年の夏は全国的に暖かい空気に覆われるため、平年並か高い気温が見込まれており、とくに東日本以西では厳しい暑さになりそうだ。
暑さが増すと熱中症患者が急増する。消防庁が発表した6月25日~7月1日までの全国の熱中症による救急搬送人員は3473人。前週6月18日~24日の667人に比べると5倍に跳ね上がっている。同庁では、予防対策の啓発動画やポスターなどで注意喚起を行っているが、夏を無事に乗り切るためには一人一人が、水分や塩分をこまめに補給する意識が必要だ。
そしてこの時期、熱中症とともに血圧のコントロールにも気をつけたい。
血圧のトラブルは冬に多いというイメージがあるが、実は夏も血圧がらみのトラブルが多発する季節だ。高血圧の人は普段から塩分を控える傾向が習慣化しているため、多量の汗をかくと血管内の水分と塩分が不足しがちになり、熱中症のリスクが高まる。さらに体内の熱が放散されることで血管が拡張し、高血圧の人でも血圧が下がり過ぎてしまう危険もあるのだ。だから、たとえ高血圧でも適度な水分と塩分の補給は心掛けるようにしたい。
では、熱中症対策と血圧コントロールをうまく両立させるには、どうすればいいのだろうか。例えば、高血圧患者の間で近ごろ話題になっている一つにローヤルゼリーがある。
ローヤルゼリーは働き蜂が花粉を材料として体内で合成し分泌した乳白色のクリーム状の物質だ。蜂蜜の加工品のように誤解されることもあるが、蜂蜜とは全く別物である。そして、その成分はタンパク質・アミノ酸、炭水化物、ビタミン類、ミネラル類など40種類以上の栄養素を豊富に含んでいることがわかっている。
ミツバチ産品の専門家である山田養蜂場のみつばち健康科学研究所が実施した試験では、血圧が高めの人を2つのグループに分け、一方にローヤルゼリーペプチドを含む錠剤、もう一方にはプラセボを飲用させたところ、10週間後と12週間後、ローヤルゼリーを飲用したグループに最高血圧と最低血圧の両方の低下が確認されたという。ローヤルゼリーの高い栄養価や美容効果などは広く知られているが、血圧コントロールまで期待できるとなれば、ますます注目は高まりそうだ。
ローヤルゼリーの他にも、健康食品の定番である「酢」に含まれる酢酸にも血圧の上昇を抑制する働きがあるといわれている。一日大さじ1杯~2杯の酢を摂取することで、早ければ数日後に血圧が下がり始めたという報告もあるほどだ。それぞれ個人差はあるし、薬のように即効性はないかもしれないが、普段から継続的に利用することで、効果的な予防や対策として期待できるのではないだろうか。
暑くなると食欲もなくなり、栄養も不足しがちになる。栄養価の高い食品を意識して摂るようにして、夏バテや熱中症を予防して夏を元気に乗り切りたいものだ。(編集担当:石井絢子)