JAF(一般社団法人日本自動車連盟)の発表によると、昨年8月、JAFが出動した「キー閉じ込み」の救援のうち、子どもやペットが車内に残されたケースは全国で310件(うちペットは13件)。このうち緊急性が高く、開錠ではなくドアガラスを割るなどして車内の子どもを救出したケースが30件であることがわかった。「閉じ込み」が発生した原因は、「子どもが誤ってロックを操作した」というものが多く、中には「ペットがドアロックノブを押した」というものもあったようだ。
JAFが2012年8月に行った、外気温35度の晴天下(12時~16時)における車内温度の推移実験によると、車内温度25度から開始して、「黒ボディ」では30分後に車内温度が45度まで上昇。その後も上がり続け最大で57度まで達した。「白ボディ」でも30分で42度、最大で52度まで上昇。「サンシェイド」や「3cmの窓開け」といった熱対策では、数度のマイナス効果はあるものの、真夏の炎天下の前では、まさに“焼け石に水”状態で、とても人やペットが耐えられる環境ではなくなったという。
最も効果があるのは「エアコン作動」だが、エンジンをかけたままだと誤操作で車が動く、燃料切れや排ガス及び熱による周囲への影響など、様々な問題が生じる危険性があるので注意が必要だ。
また車内温度のグラフによると、上記の四つの車両タイプでは、一様に最初の約10分で一気に10度以上上昇している。これは体温調節機能が未発達の乳幼児や加齢で機能が低下した高齢者にとっては、命に関わるほど危険な状況と言えるので、コンビニやスーパー等でのちょっとした買い物や用足しの際に、「眠っているから」と車内に子供だけを残して行くことは控えるべきであろう。
最近の夏の暑さは凄まじく、全国各地で連日のように最高気温が30度を超える真夏日になる。また35度以上の猛暑日も珍しくはない。車で出かける場合、屋外のみならず、車内で過ごす場合にいいても、熱中症に対する注意が必要なのだ。(編集担当:久保田雄城)