カジノ法案 懸念残し自公ら賛成で可決、成立

2018年07月23日 06:49

 カジノを含む統合型リゾート整備法案(IR法案)が国民の疑問、懸念に答えることなく20日の参院本会議で採決され、自民、公明、維新の賛成多数で可決、成立した。

 立憲民主党の白眞勲議員は反対討論で331項目もの項目が国会審議の不要な政省令や規則に委ねられていることの問題点やギャンブル依存症防止策、治安対策が不十分であることなどを指摘した。公益性にも疑問を訴えた。暴力団を排除できるのかにも疑問を投げた。

 白議員はギャンブル業者が貸金業者を担い、賭け金が不足した客に施設内で融資できる特定金融業務制度について「総量規制もない。この制度はカジノ事業者が客に融資をちらつかせ、巨額の賭け金を使うよう促す恐れを排除できない」とギャンブル破綻の危険の大きさを指摘。

 また「ギャンブルで負けが込んだ人が陥るのは、もう一回やれば取り返せるのではないかという気持ちだ」と心理を語り「業者は顧客ごとに自分たちで決めた限度額まで金を貸し、2カ月以内に返せなかったら、14.6%の遅延金を付ける。場合によっては債権を第三者にゆだね取り立てるという恐るべき貸金業務が行われる。家族まで不幸にさせるような法律を作ってはいけない」と反対するよう呼び掛けた。

 社会民主党の吉川はじめ幹事長は「地方公聴会や中央公聴会も開催されないまま、衆参両院でわずか40時間程度の審議で採決が強行された。しかも政省令やカジノ管理委員会規則に『丸投げ』する委任事項が条文より多い331項目もあり、内容の論議は深まらなかった。法案の内容に注文を付ける附帯決議も31項目もあり、欠陥法案以外の何ものでもない」と最大限の問題提起を行った。(編集担当:森高龍二)