自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例・中国ブロック)が月刊誌(新潮45)8月号に「(LGBTの)彼や彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がない。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」などと寄稿したことに性的マイノリティを支援する「LGBT法連合会」が「(杉田氏の投稿内容は)人権侵害のみでなく、性の多様性を無視し、国会議員の資質に疑問を抱かざるを得ない」との抗議声明が出されるとともに、野党から国会議員の資質を問う声が相次いでいる。
その杉田氏に対して安倍晋三総理(自民党総裁)は昨年9月、「杉田氏は素晴らしい」と評価していたことが分かった。
昨年9月29日、国家基本問題理事長の櫻井よしこ・美しい日本の憲法をつくる国民の会共同代表が、同じく、美しい日本の憲法をつくる国民の会代表発起人でもあった百田尚樹氏との対談で櫻井氏が安倍総理の発言として語っていたもので、櫻井氏は「安倍さんが、杉田氏は素晴らしいと。(自民党幹事長代行の)萩生田(光一)さんらが一生懸命になってお誘いして」と百田氏に話していた。
今回の杉田氏の寄稿内容に日本共産党の小池晃書記局長は「無知・無理解・悪意に満ちた偏見。個人の尊厳を根本から否定する妄言だ。議員の資質にかかわる。謝罪・撤回しないのであれば議員辞職すべき」と非難した。また比例代表公認だったことから自民党の責任が問われるとし、このような人権感覚しか持てない杉田氏を比例公認した自民の責任問題を提起した。
社会民主党の福島みずほ副党首は「生産性があるかないかで判断することそのものが問題」。立憲民主党の山内康一国対委員長代理は「人権無視の発言だ。同じ国会議員として恥ずかしい」と痛烈に批判した。
杉田氏は23日のツイッターで「先日、自分はゲイだと名乗る人間から事務所のメールに『お前を殺してやる!絶対に殺してやる!』と殺人予告が届きました」と紹介し「これに対して被害届を出しました。警察と相談の上、一連のLGBTに関連する投稿は全て削除いたしました」と発信した。(編集担当:森高龍二)