LGBTで杉田氏と二階氏に発言撤回と謝罪要求

2018年07月29日 10:11

自民党の杉田水脈衆院議員が『新潮45』(8月号)で同性カップルを想定し、LGBT(性的指向、性自認)の人々は子どもを持つことがないので「生産性がない」などとして、支援への税金投入の必要がない旨主張したことに、LGBTの差別をなくす法制化準備を進める立憲民主党のLGBTに関するPT座長・西村智奈美衆院議員は「子どもを産むか否かで差別することは憲法が尊重する基本的人権、自己決定権を否定する思想で看過できない」と抗議のコメントを26日、発表した。

 西村議員は「差別を禁じた憲法を遵守すべき国会議員が、自ら差別との自覚をもてないまま発言したことに驚きを禁じ得ない」とし、発言の撤回と謝罪をするよう求めた。

 また、自民党の二階俊博幹事長が杉田氏の寄稿内容に対し「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と容認する発言をしたことについて「さまざまな考え方を容認することは当然のことながら、幹事長という立場にありながら、差別への無理解、無自覚を露わにした所属国会議員を問題なしとする言動は、差別そのものを公党の幹事長が容認したととれ、社会的影響も鑑み、許されるものではない。あわせて、撤回と謝罪を求める」と二階氏に対しても、発言の撤回と謝罪を求めた。

 杉田議員は「新潮45」の中で「子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか」と投げかけ「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」と提起していた。

 また「T(トランスジェンダー)」は「性同一性障害という障害なので、これは分けて考えるべき」とし「自分の脳が認識している性と、自分の体が一致しないというのは、つらいでしょう。性転換手術にも保険が利くようにしたり、いかに医療行為として充実させて行くのか、それは政治家としても考えていいことなのかもしれません」と税金での支援を肯定。

 L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシュアル)は「性的嗜好の話」とし「多様性を受けいれて、様々な性的指向も認めよということになると、同性婚の容認だけにとどまらず、例えば兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ、それどころか、ペット婚、機械と結婚させろという声が出てくるかもしれません。現実に海外では、そういう人たちが出てきています。どんどん例外を認めてあげようとなると、歯止めが効かなくなります。LGBTを取り上げる報道はこうした傾向を助長させることにもなりかねません」とマスコミ報道の在り方を問うことが寄稿の主目的になっている。

 ただ、子どもをつくらないから「生産性がない」とする考えやそこに税金投入することに疑問を投げるのは国会議員の資質を問われることになりそうだ。(編集担当:森高龍二)