立憲民主党の枝野幸男代表が7月20日に行った安倍内閣不信任決議案趣旨弁明が書籍「枝野幸男、魂の3時間大演説」(安倍政権が不信任に足る7つの理由)になり、9日の発売予定を前に話題になっている。
中でもネット販売大手アマゾンで本の予約1位になるなど、反響の大きさに枝野代表は「インターネットなどで公開されるのにもかかわらず、出版したいという出版社があり、それを購入したいという方が沢山いらっしゃることに驚いている。大変ありがたい」と大きな反響に感謝。「発言したことを前に進める努力をしていくが、ますます責任が重いと思っている」と31日の記者会見で語った。
衆院本会議では2時間43分にわたり、安倍内閣不信任の理由を説明した。枝野代表の演説内容には安倍政権では出てこない庶民目線の立ち位置からの政策提言が多く含まれていた。また安倍内閣を将来、歴史的にどう評価するかの貴重な資料にもなる内容だった。
政策の違いでは、安倍内閣が「世界で企業が最も活動しやすい国づくり」を基本に据えた経済政策を進めているが、枝野氏は「株価と輸出企業の収益は上がっているが、実質賃金、個人消費につながっていない。個人消費が伸びない限り日本経済の安定的な成長は実現できない。個人消費を増やすためには低所得の人たちの所得をあげ、格差是正のための経済政策をやる必要がある。高齢者に安心を提供することが必要。子育て、教育、雇用の問題解決が消費拡大につながり、景気対策になると訴えた」。
また森友問題について「安倍昭恵総理夫人が夫人付き公務員・谷査恵子氏を通じて(問題の国有地にからみ)行政に問い合わせるという関与をしていた。このことは明らかになっている。これだけでも大問題。ほかに値引きについての合理的説明が一切なされていない以上、このことが影響を与えていたという以外、現状では推認しようがない」。
加計問題について「国家戦略特区に至るプロセス、獣医学部設置認可に至るプロセス、行政の中立性、公平性を損ないかねない疑惑に全く真摯に対応していない。真実に目を向ける姿勢がないことは明白だ」と強く問題視した。書籍では法政大学・上西充子教授らの解説もつく。(編集担当:森高龍二)