自民党の総裁選挙が9月7日告示、20日投開票で行われる。総裁選挙管理委員会が21日、決めた。選挙には元幹事長の石破茂氏が出馬表明しているほか、安倍晋三総裁が3選を目指し出馬することが確定的だ。
もともと安倍総裁は自ら総理の間に憲法9条(戦争の放棄)改正を行いたい思惑が強いとみられ、二階俊博幹事長が総務会長だった参院選挙の際、総裁は連続2期までとしてきた党則を、衆参ダブル選挙を避ける代わりに総裁を連続3期まで認める、つまり連続して3選出馬できるよう党則変更した経緯がある。
安倍総裁は自民党の憲法改正案を次期国会に提出するよう議論を加速するよう求めている。衆参で憲法改正発議に必要な3分の2の賛成が得られる可能性のある現有議席の間に、国民投票までこぎ着けたいとの思いが、安倍総裁の改憲発言には見えてくる。
一方、石破元幹事長は次期国会での憲法改正案提出に「ありえない」と総裁の姿勢を強く批判した。石破氏は日本テレビBS番組で「スケジュールありきで民主主義の現場を理解していないとしか思えない」と強調した。
野田聖子総務大臣も改憲について「世論調査でも大変低い位置にあり、優先順位は高い方ではない」と改憲を急ぐ必要はないとし、政権与党として優先すべきは外交、経済政策などほかにあることを強調した。また自らも総裁選挙出馬に向け努力しているとした。
なお石破氏は自民党の総裁=総理であることから、国民に分かりやすくするため、総裁選挙ではテーマごとの討論を行うべきだと求めている。憲法9条のみでなく、基本的人権に対する認識、緊急事態条項への考えなどでも候補者の認識を公の討論で示すことは大事だろう。(編集担当:森高龍二)