マツダは、同社のコンパクトHB車「デミオ」をマイナーチェンジした。もっとも大きな改変は、ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.3」を進化した「SKYACTIV-G 1.5」に代えることで「ゆとりのあるスムーズな走り」と実用燃費の向上を追求しことにある。
ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」搭載車に新技術を導入するとともに、排気量を1.3リッターから1.5リッターに拡大。大幅なトルクアップを図ったことで、市街地だけでなく高速道路や坂道など、日常のさまざまな走行シーンで「ゆとりのあるスムーズな走り」を実現した。
1.5リッターにエンジン排気量を拡大したことで、エンジン効率の良い領域を有効に使用できることから、アクセルの踏み込みやシフトダウンの頻度が減少し、実用領域における燃費の向上にも貢献する。
ただ、従来から1.5リッターエンジンを搭載していた「15MB」グレードの1.5リッターエンジンと、マイナーチェンジした新型デミオの「15MB」以外のグレードのエンジンは同じではない。モータースポーツ向け仕様でハイオクガソリン指定の「15MB」のエンジンに対し、新型モデルのエンジンは圧縮比を落としたレギュラーガソリン仕様で、「15MB」比でわずかに出力とトルクが落ちている。とはいえ、1.3リッターに比べると断然トルクが太くなって、乗りやすさは大きく高まっているはずだ。
また、フロントウインドウには、紫外線および赤外線を遮断する「スーパーUVカットガラス・IRカットガラス」を採用、運転時の快適性を向上させている。
さらに、特別仕様車「Mist Maroon(ミスト・マルーン)」を、個性的なインテリアデザインを特徴とする「Style Collection(スタイルコレクション)」シリーズの特別仕様車第6弾として設定。洗練された色と素材にこだわり、上質な世界観を表現した。
今回のマイナーチェンジで特徴的なのは、ガソリンエンジン車を中心にこれら各種改良を加えながら、車両本体価格は従来とほぼ同じだと言うことだ。
最近ではスズキの新型ジムニー・シエラが、エンジンの排気量アップによるトルクアップと燃費改善を図っている。ここ数年トレンドとなっていた、いわゆるダウンサイジングとは逆の「アップサイジング」コンセプトが、トレンドとなるのか。(編集担当:吉田恒)