IDC Japanが国内携帯電話市場実績値を発表。2018年第2四半期の携帯電話出荷台数は前年同期比0.9%増の717万台、ほぼ横ばい。アップル出荷が7.9%減の影響。Android系のみでは9.9%増。
スマートフォンの普及で急成長を続けてきた国内の携帯電話出荷台数に足踏み状態が見られるようだ。3日、IT専門の調査会社IDC Japanが国内携帯電話およびスマートフォンの2018年第2四半期(4~6月期)の出荷台数を集計し、これを公表した。
レポートによれば、本年第2四半期のスマートフォンと従来型携帯電話の合計である国内携帯電話出荷台数は前年同期に比べ0.9%の増加となり717万台となったが、これまでの急成長に比べほぼ横ばいの成長となった。
成長が鈍化した大きな要因は、既に報道があるようにアップル社の昨年からの戦略変更による影響で、同社の出荷が前年同期に比べ7.9%減の244万台に減速したためだ。アップルは需要減を折り込んだ上で値上げ戦略を実施しており、販売台数も専門家の予想を下回るものとなっているが販売額では増加を維持している(日本国内では1桁台の増加)。アップル社の1四半期当たりの出荷が250万台を割ったのは2015年第2四半期以来はじめてである。
一方、Android系の出荷台数は前年同期に比べ9.9%の増加と2桁近い伸びを維持しており、各社合計462万台の出荷で2016年第3四半期以来の高い成長を維持している。
ベンダー別に見ると、携帯電話合計では、アップルが244万台でシェが34.0%でトップ、次いでシャープが14.8%、ソニーが12.0%、京セラが8.7%、富士通が8.6%となっている。トップは引き続きアップルであったが前四半期の48.8%から今回の34.0%と大きくシェアを落とした。シャープは新モデルのAQUOS R2やAQUOS sense plus、Android One X4などが好調で106万台を達成し2位を維持している。
なお、従来型携帯電話の出荷台数は11.5万台であったが、これは機能限定のキッズ向けモデルであり、通常使用の従来型携帯電話の出荷は引き続きゼロとなった。
IDC Japan、PC・携帯端末&クライアントソリューション・シニアーケットアナリストの菅原啓氏は「昨年同様、本年の第2四半期もアップルの低調な出荷により出荷が伸び悩んだ」また「他方、Android陣営ではシャープがV字回復傾向にあり、今後の動向が注目される」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)