厚労省が「平成29年受療行動調査の概況」を公表。外来患者の待ち時間は1時間未満の待ち時間の割合が約7 割。診察時間は「5分~10 分未満」が38.1%、「5分未満」が 28.5%、「10分未満」合計で約7割に。
かつて日本の病院は3時間待ちの3分診療と揶揄されてきた。3分診療の薬漬け医療が日本の薬価・医療費を膨張させて日本の医療現場を極めて非生産的なものにしてきた。薬価問題は、医薬分業によって効果的な対応が行われ効果的な成果を出している。
高齢化社会の進展に伴い診療現場での混雑はピークに達し、これに対し官民一体となった改善策が講じられている。4日、厚生労働省は「平成29年受療行動調査(概数)の概況」を公表した。
調査結果によれば、通院病院を選択した理由を外来患者でみると、「医師による紹介」が37.3%で最も多く、次いで「交通の便が良い」27.6、「専門性の高さ」23.9%%の順となっている。「医師による紹介・指導」が多いと言うことは患者を適切な医療施設に配分し患者の混雑の緩和に貢献していると想像できる。
患者の病院に関する事前情報の入手元を見ると「家族・知人等」によるものが70.6%と2位の医療機関のネット情報21.1に比べダントツで高くなっており、患者は病院の信用を重視していることがうかがえる。
外来患者における、予約の状況、診察等までの待ち時間、診察時間についてみると、「予約をした」は 70.9%、「予約をしていない」は 21.7%となっており、大半が予約をした上で受診に訪れており、その比率は病院が大規模化するほど高くなっている。
診察等までの待ち時間については、「15 分未満」が 26.1%と最も多く、次いで「15 分~ 30 分未満」が 23.1%、「30 分~1 時間未満」が 20.4%となっており、1時間未満の待ち時間の割合が約7割となっている。
外来患者の診察時間についてみてみると、「5分~10 分未満」が 38.1%と最も多く、次いで「5分未満」が28.5%、「10 分~20 分未満」が12.7%となっており、「5分以上のものを合計すると7割超えの71.5%が10分以上の診療を受けていることになる。もはや「3時間待ちの3分診療」の時代ではなくなったようだ。
来院の目的では「診察・治療・検査などを受ける」が89.8%で最多で、「健康診断(人間 ドックを含む)・予防接種」は 4.1%となっている。診療内容をみると 「定期的な診察と薬の処方を受ける」が40.9%で最も多く、次いで「症状を診てもらう」が23.9%、「検査を受ける・検査結果を聞く」が17.1%となっている。
薬価問題での医薬分業にしても、診療現場での混雑の問題にしても、適切なシステム設計とマネジメントで状況を大きく改善することができる実例と言えよう。(編集担当:久保田雄城)