読書の秋、書店経営の減収続く。異業種・多角化への模索も。~TDB調査

2018年09月27日 06:47

画・読書の秋、書店経営の減収続く。異業種・多角化への模索も。~TDB調査

帝国データバンクが「出版取次・書店経営業者の経営実態調査」の集計結果を公表。2017年度の総売上高は2兆6千億円、前年度比4.3%減、2年連続で減収

 日も短くなり読書の秋になった。と言っても出版不況と呼ばれる状況は止まらないようだ。日本人の書籍離れは1970年代からである。それに代って雑誌やマンガが書店の売り上げを伸ばすかたちで推移してきたが、90年代をピークに出版物全体の売上は減少傾向に反転、以後その傾向は止まらない状況だ。

 21日、帝国データバンクが出版取次と書店経営業者の経営実態調査結果を公表した。全国出版協会によれば、2017年の紙媒体による出版物の販売金額は1兆3701億円と推計されており13年連続での減少となっている。一方で、電子出版販売金額は2215億円で前年比16.0%増加となり紙媒体から電子媒体へのシフトが顕著となっている。

 帝国データバンクの推計では、2017年度の出版取次・書店での総売上高は2兆5906億円で前年度比4.3%の減少となり2年連続での減収だ。内訳は出版取次が1兆3861億円で6.2%の減少、書店経営は1兆2045億円で2.1%の減少と出版取次・書店ともに減収となっている。

 出版取次・書店の産業構造を売上規模別でみると、「1億円未満」の企業が1071社、構成比は49.3%となり約半数が小規模企業だ。10億円未満でみると出版取次、書店ともにその構成比は約9割となっている。業歴でみると、「50~100年未満」が1159社で全体の45.9%を占めて最多となっており、新規参入業者が少なく歴史を持った企業が多い業界だ。従業員規模別では「1~10人未満」が1632社で全体の77.9%を占め最多で、出版取次、書店ともに75%以上が10人未満の小規模企業だ。

 今年6月には東京六本木の「青山ブックセンター」が閉店となり話題となった。出版社のKADOKAWAが出版取次を介さない書店との直接取引を拡大させる取り組みを始めたが、この流通形態が広がれば出版取次はさらに打撃を受けることになろう。また一方で、大手の書店を中心に無人レジの導入や文房具の販売やカフェの併設など複合型店舗の導入による客足の増加を図るなどの新しい業態への模索が行われており、これが軌道に乗れば出版取次業者への経営改善の波及効果ともなり得る。

 「今後も厳しい業界環境のなかで減収傾向は続くとみられ、中小規模の業者の動向に注視が必要である」とレポートでは結んでいる。(編集担当:久保田雄城)