拡大するブロックチェーン 製造業や不動産にも

2018年10月03日 08:01

画・拡大するブロックチェーン 製造業や不動産にも

ブロックチェーン技術が最近になって他の様々な分野に拡大しつつある

 ブロックチェーン技術といえば、仮想通貨のBitcoinで採用されている技術というイメージが強いが、最近になって他の様々な分野に拡大しつつある。ブロックチェーン技術を利用すれば、他の多くの分野で効率化が進み、人材をより生産性のある活動に振り分けることができると期待されている。

 ブロックチェーン技術とは、取引記録をオンライン上に記載し、不特定多数の人がそれを監視できるシステムのことだ。取引情報が記載されたいわば台帳をブロックと呼び、それが連なっているためブロックチェーンと名付けられた。ブロックチェーンは分散型台帳であるため、もしトラブルやハッキングによって特定の人の監視が不可能になっても、他の人の監視は有効であり続けるため取引の安全性が確保されることになる。加えてブロックチェーン技術においては改ざんを防止するための関数値が埋め込まれている。さらに一定時間ごとにブロックは増え続けていくが、関数値に関しては後のブロックにも引き継がれる。もし誰かが自分の都合の良いようにデータを改ざんした場合、その後のブロックすべてにおいても整合性を取らなければならないため膨大な処理が必要となるのだ。こうしてブロックチェーン技術は情報の改ざんに対してきわめて強力なセキュリティを持っているといえる。

 これを別の分野で活用しようという試みがすでに始まっている。例えば製造業では産地偽装や偽ブランドを防ぐためにブロックチェーン技術が有効だ。食料の生産者、もしくは正規ブランドの工場の製品をブロックチェーンに組み込んでおけば、流通・販売過程においてもどの商品が本物なのか、産地はどこなのかを一元的に管理できるようになる。不動産業界においても不動産情報の記録、過去の取引価格やリフォームの履歴など情報を管理しやすくなるだろう。加えて契約内容が改ざんされにくいという利点を生かして、不動産取引の記録もブロックチェーン技術で可能だ。今後さらに広がりを見せるであろうブロックチェーンから目が離せない。(編集担当:久保田雄城)