総理を議長とする国家戦略特区制度を活用して加計学園運営の岡山理科大学獣医学部新設認可過程に「加計ありき」でなかったかとの疑惑が払しょくされないままになっており、国家戦略特区諮問会議への信頼が揺らぐ事態を招いているおりから、片山さつき地方創生特命担当大臣は23日の国家戦略特区諮問会議の会合で「国家戦略特区の再スタート」と銘打った資料を提出、提案した。
片山大臣は「特区の岩盤規制改革力が事実上機能停止に陥っており、事務局の改革姿勢、業務運営などに多くの問題があり、関係自治体などとの信頼関係が失われてきた」と指摘した。
そのうえで関係自治体との信頼関係回復へ「あらゆる機会を捉え、政務三役自ら積極的に現場に足を運び、関係者の意見をきき、信頼関係を再構築する」としたほか「事務局には各区域との定期連絡会の開催、規模の小さな区域自治体に対する共同事務局の設置など、きめ細かな相談・支援体制を整備し、各区域自治体はじめ自治体・事業者からの提案に丁寧に対応するよう徹底指導する」とした。
また政務3役の責任のもと(1)事務局職員の配置なども含め体制を刷新する(2)幹部から担当レベルに至るまで、職員一人ひとりが規制当局の側ではなく、提案者の立場に立って岩盤規制改革を進めるよう事務局の意識改革を進める(3)「手続上の瑕疵」を治癒することはもとより、国家戦略特区のプロセスを適正に進められるよう業務体制を整備する、としている。
そのうえで、片山大臣は「改革姿勢を具体的な行動と成果で示す」とし「次期通常国会への法案提出も見据え、岩盤規制改革の重点課題を選定し、年内を目処に政府決定を目指す」とした。(編集担当:森高龍二)