ルノー・日産・三菱自の戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」は、トランジット社に対して最新の資金調達ラウンドで投資を行なったと発表した。投資額などは未発表。
トランジット社は、カナダ・モントリオール市に本社を置くマルチモーダル交通用のアプリを開発している企業。本件は自動車業界の次世代システムの最前線に立つ新興企業や初期段階の開発、起業家を支援するため今年初めに設立したアライアンス・ベンチャーズによる最新の投資となる。
トランジット社の具体的な事業は、世界175以上の都市で通勤・通学の交通の流れに役立っており、正確でリアルタイム予測、シンプルな移動計画、段階的なナビゲーションにより、ユーザーどの公共交通を使うべきかを簡単に決めることができる。
また、トランジットアプリはバイクシェアリング、スクーターシェアリング、カーシェアリング、配車サービスなどさまざまな交通手段を統合して使用できるため、ユーザーはA地点からB地点に移動するためのベストな方法を選択することができる。同社には、その業務に注目したインモーション・ベンチャーズ、アクセル、リアル・ベンチャーズ、アコンプリス、BDC、ルノー・日産・三菱自などが同社に投資している。
アライアンス・ベンチャーズとオープンイノベーションを担当するアライアンスのグローバル・バイス・プレジデントのフランソワ・ドーサ氏は、「北米をリードする都市モビリティナビゲーションの新興企業であるトランジット社に対する今回の投資は、都市のモビリティをシームレスで利用しやすいものにすることを目指す同社の取り組みを後押しするとともに、無人運転車両による配車サービスのリーダーかつ公共交通やカーシェアリング用の車両プロバイダーになるという中期計画『アライアンス2022』の戦略にも合致する」と述べたという。
また、トランジット社のチーフ・エグゼクティブであるサム バーメット氏は「新たな形のモビリティが記録的なスピードで市場に参入しています。カーシェアリングが定着するまでには何十年もかかりました。今では電動アシスト自転車や電動スクーターが、週単位で増えています。ワクワクする時代であり、我々はその中で人々が移動手段を選ぶ手助けをしています。トランジットが成長するにあたり、今後のアライアンスとの緊密な連携に期待しています」とコメントした。
トランジット社のモバイルアプリ・プラットフォームは、公共交通機関、配車サービス、自転車シェアリング、スクーターシェアリングを統合するマルチモーダル交通の実現を可能にする。交通機関からのリアルタイムのデータをユーザーからのデータと組み合わせて、同社は正確な情報を提供している。リアルタイムで通知を受信する機能を有効にすると、 トランジットアプリは現在の車両の場所をリアルタイムで追跡し、停留所に向けての出発時刻、降車時刻をユーザーに知らせるとともに、目的地への到着予定時刻も、交通状況に応じて教えてくれる。
今回の3社アライアンスの投資は、新たな形のモビリティが急速に市場に浸透し、マルチモーダル交通を推進するトランジット社の実績を踏まえ、実施したとしている。(編集担当:吉田恒)