日本の植民地時代に三菱重工業に強制徴用されたとして韓国人の元女子勤労挺身隊員らが損害賠償を求めた裁判の上告審判決で韓国大法院(最高裁)が賠償責任を認めたことに日本政府が猛反発し、駐日韓国大使を呼び出し抗議したが、韓国外交部も29日、長嶺安政駐韓日本大使を呼び抗議した。韓国外交部が抗議したことを聯合ニュースが外交消息筋の話として伝えた。
聯合ニュースは「両国が同じ日に相手国の大使を呼んで抗議するのは異例」と伝えるとともに「10月30日に(新日鉄住金へ賠償を求めた裁判に)初めての大法院の賠償判決が下された際、日本側は李氏を招致し抗議したが、韓国側は李洛淵(イ・ナクヨン)首相が『政府は両国関係を未来志向に発展させていくことを望む』などとの立場を表明し、長嶺氏を呼び出さなかった」と最初の最高裁判決時の日本側の抗議に対し慎重だったことを説明。
そのうえで「韓国側が対応を強めたのは、強制徴用訴訟の判決に対する日本政府関係者らの発言について、これ以上看過できないと判断したためとみられる」と伝えた。
河野太郎外務大臣は韓国大法院の判決に対し韓国政府が適切な対応を取るように求めるとともに「直ちに適切な措置が講じられない場合には日本として日本企業の正当な経済活動の保護の観点からも、国際裁判や対抗措置も含め、あらゆる選択肢を視野に入れ毅然とした対応を講ずる考え」との談話を発表していた。(編集担当:森高龍二)