日本の植民地時代に三菱重工業軍需工場で働かされた元女子勤労挺身隊の韓国人被害者4人と遺族1人の計5人が三菱重工業に損害賠償請求していた訴訟の裁判で韓国大法院(最高裁)は29日、新日鉄住金への判決に続き、賠償責任を認める判決を下した。別の訴訟案件でも三菱重工業に賠償責任があるとした。
三菱重工業は「日韓請求権協定及びこれに関する日本政府の見解並びに日本の確定判決に反するもので極めて遺憾」とのコメントを発表した。また今後の対応については「日本政府と連絡を取りつつ、適切に対応していく」とした。
河野太郎外務大臣は「日韓両国は1965年の国交正常化の際に締結された日韓基本条約及びその関連協定の基礎の上に緊密な友好協力関係を築いてきた」とし「日韓請求権協定はその中核」をなすもので「日本から韓国に対し無償3億ドル、有償2億ドルの経済協力を約束する(第1条)とともに両締約国及びその国民(法人を含む)の財産、権利、利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題は『完全かつ最終的に解決』され、いかなる主張もすることはできない(第2条)と定めている」と請求権はないとする談話を発表。
河野外務大臣は「韓国大法院が三菱重工業に対し損害賠償の支払等を命じる2件の判決を確定させたことは日韓請求権協定第2条に明らかに反し、日韓友好協力関係の法的基盤を根本から覆すものであって断じて受け入れることはできない」とし、韓国政府に適切な措置を講ずるよう求めるとした。(編集担当:森高龍二)