米Toyota Research Institute、新型自動運転実験車「TRI-P4」を米見本市CESで公開

2019年01月08日 06:02

Toyota TRI-P4

米ラスベガスで開催されるCESで公開する、トヨタの新型自動運転実験車「TRI-P4」。P4はふたつの自動運転システムであるガーディアン(高度安全運転支援システム)とショーファー(自動運転システム)双方の開発をこの車両で推進する

 Toyota research Institute, Inc.(TRI)は1月7日から米ラスベガスで開催されるCESにおいて、新型の自動運転実験車「TRI-P4」を公開する。P4は新型(第5世代)のLexus LSをベースとした車両で、TRIのふたつの自動運転システムであるガーディアン(高度安全運転支援システム)とショーファー(自動運転システム)、双方の開発をこの車両で推進していくとしている。

 TRIで自動運転技術を担当するシニアバイスプレジデントのライアン・ユースティス氏によると、「ショーファーの開発は完全な自動化、すなわち全ての、もしくは限られた運転環境においてドライバー不在での自動運転に重点を置いています。一方でガーディアンは人間の能力を置き換えるのではなく、増大させるものです。この新しいP4実験車をこの春からテストに導入していくことで、ショーファー、ガーディアン双方の開発を更に加速させることになるでしょう」と説明した。

 P4実験車は、LSの新しいシャシーとステアリングの制御技術を活用することで、よりアジャイルでレスポンスが良くスムーズな自動運転を実現しているという。

 P4実験車にはふたつのカメラを追加し、両サイドの認識性能を高めているほか、自動運転車用に設計された2個の画像センサーを前方と後方に追加した。

 レーダーシステムは車両周辺の近距離の視野を向上させるべく最適化。また、8つのスキャニングヘッドを持つLIDARシステムは前モデルである「Platform 3.0」で使用しているものを踏襲したが、新型LSのデザインに合わせた形状とした。

 新型実験車は、前世代のPlatform 3.0に比べて、より高い計算能力をもち、より高い機械学習能力と、早い学習能力を兼ね備えている。全てのコンピューターはハイブリッド車の二次電池を使用し、12Vのバッテリーはバックアップとしてのみ機能する。

 トランク内にあるコンピューターボックスは、自動運転システムの頭脳として機能する。ボックスはリアシート背後の枠に平行に取り付けられており、中身にアクセスする場合には開く。そのためトランクスペース浸食すること無く、全て本来の機能である荷物用に使うことができる。

 新型P4の外形デザインは、今回もミシガン州アナーバーのCALTY Design Researchが担当した。CALTYのシニア・リード・デザイナーのスコット・ローラー氏は、「私たちは、自動運転用のパーツを新型LSのデザインと一体化させるというアプローチでデザインに取り組みました。その結果、SFのなかのグラフィックデザインに少しヒントを得たような、流れるような表面と、独立感あるデザインにまとまりました」と述べている。

 P4実験車は、1月7日午後1時(米国太平洋時間)にトヨタのCESプレスカンファレンスでお披露目となる予定。プレスカンファレンスでは、TRIのCEOであるギル・プラット氏が、直近のガーディアンの技術的な進捗についてプレゼンテーションを行う。(編集担当:吉田恒)