日本経済団体連合会の中西宏明会長は労働報酬について「ベアに否定的な考えはない」としながらも「成果報酬」を強調した。
中西会長は「経団連は経営労働政策特別委員会報告で年収ベースの賃金引き上げを呼びかけている」としたうえで「ベアに対して否定的な考えはないが、働き方改革を加速していくためには従業員のモチベーション向上につながる報酬のあり方が重要だ」などとした。
中西会長は「成果が上がった従業員にはしっかり報酬で報いていくことが大切だ」とし「必ずしも従業員全体の賃金を一律に上げていくということではない。勿論、そうした報酬体系が合う業種もあるとは思う」とベアで一律に従業員の賃金を上げていくことには否定的な認識を示した。
また「多くの企業、産業に賃金引き上げに前向きに取り組んでいただきたい。ただし、賃金の引き上げについては個々の企業の中で労使が交渉して決めることである」とも述べた。
中西会長は労使交渉では賃金も重要なテーマだが、働く環境をどう改善していくかなど幅広い議論をと期待した。(編集担当:森高龍二)