幹部自衛官を養成する神奈川県横須賀市にある防衛大学校で１７日、卒業式あった。安倍晋三総理は訓示で「今や１国のみではどの国も自国の安全を守ることができない時代になってきた」と述べるとともに「陸海空、従来の枠組みにとらわれた発想のままではこの国を守り抜くことはできない」と強調した。
また憲法９条（戦争の放棄規定）の解釈変更による集団的自衛権の一部行使を含む安保法制について「平和安全法制の成立で日米同盟はこれまでになく強固なものになり、地域の平和と安定に一層寄与するものとなった」と訴えた。
そして「自衛隊は国民の９割から信頼を勝ち得ている」と述べ「先人たちが、たゆまぬ努力によって築き上げてきたこの成果を受け継ぐ卒業生諸君は、静かな誇りを持ちながら、さらなる高みを目指してそれぞれの自衛官人生を歩んでほしい」と期待を述べた。
そして、憲法９条に自衛隊を書き込むための改憲を念頭にしたと思われる発言として「政治もその責任をしっかり果たさなければならない。次は私たちが自衛官の諸君が強い誇りを持って職務を全うできる環境を整えるため全力を尽くす決意だ」などと述べた。
今春の卒業生は４７８人（留学生を除く）。このうち４９人は任官を拒否し、自衛官以外への道を選択した。拒否者は前年より１１人増え、卒業生の１割を超えた。（編集担当：森高龍二）
