医科診療費30兆円(2015年度)のうち、10兆円ががん、糖尿病、高血圧など生活習慣病関連費用であることを踏まえ、20日開かれた未来投資会議では「全世代型社会保障における疾病・介護の予防・健康インセンティブについて」議論された。
安倍晋三総理は「病気予防について、国民健康保険における保険者努力支援制度の抜本的強化と配分のめりはりの強化。民間サービスの活用も大切。これにより検診等の受診率の向上や生活習慣病の重症化予防を図る」考えを述べた。
また、介護予防については「介護インセンティブ交付金の抜本的な強化などを図る。高齢者の集いの場の整備や高齢者の就労促進を図る」考えを示した。
根本匠厚労大臣からは、疾病予防や重症化予防への取り組みで例示し「日本人女性の11人に1人が乳がんにかかるといわれる中、早期発見で95%以上が治癒するため、受診をすすめる」とし、(1)がんが怖くて検診が不安な層には「40代から50代の女性のがん死亡原因のナンバーワンが乳がん。日本では年間1万4000人以上が乳がんで亡くなっている。早期発見のためにはマンモグラフィによる検査を定期的に受けることが大切」と訴える。
(2)乳がんに無関心な層には「多くのがんは2年に一度の検診で早期発見できます。ただし、中には急激に大きくなるものもあるため、しこり、乳房のひきつれ、乳腺から血性の液が出るなどの症状があるときは(定期健診を待たずに)病院へ」と呼びかけ、受診を促すとしている。(編集担当:森高龍二)