日本のIT技術者「コミュ・スキル」が重要。顧客対応が6割

2019年03月26日 06:34

画・日本のIT技術者「コミュ・スキル」が重要。顧客対応が6割。

楽天コミュニケーションズが「IT系開発者の就業環境に関する調査」を実施。開発以外の業務の担当は8割近く。本業以外の業務は「顧客対応」が61%で最多。コミュニケーションスキルが重要。

 現代の生活にもはやITはかかせない。ITと関わりのない製品・サービスを探す方がむしろ難しくなった時代だ。現代の消費者はITとともに生活している。かつてITエンジニアは専門職として消費者、ユーザーから離れた場所で新たな製品・サービスを生み出せば良かったかも知れない。しかし現代では消費者の動向に素早く対応できなければ生き残れない時代だ。

 以前よりITエンジニアにとってプロジェクト管理は重要な業務であったが、今ではこれまでにも増して顧客のニーズの変化に合わせて柔軟に対応して行くプロジェクト管理が必要性になってきている。現代のITエンジニアは開発スキルのみではなく多様な業務をやりこなしプロジェクト・業務を効率化して行くマネジメントスキルが必要なようだ。

 楽天コミュニケーションズがIT関連のシステム開発やプロジェクトに従事している516名を対象に「IT系開発者の就業環境に関する調査」を先月実施し、その集計結果を公表した。

 調査結果によれば、本業の開発以外の業務を行っているIT開発者の割合は75.8%と4分の3を超えている。その業務内容を聞いた結果では、「顧客との折衝・交渉」が61.1%で最も多く、技術スキルのみでなく「コミュニケーションスキル」や「マネジメントスキル」など多様なスキルが求められる就業環境になっているようだ。

 次いで多い業務は「メンバーへの研修、教育、指導」が51.2%で半数を超え、「社内会議の調整・プレゼン」44.5%、「コスト管理」39.6%、「請求・支払管理」39.4%の順となっており、その業務内容は多岐にわたっている。

 こうした多くの業務の中で開発プロジェクトを推し進めて行くには業務の効率化が欠かせない。効率化のために活用しているツールは「バージョン管理ツール」が45.2%、「IDE(統合開発環境)」35.1%、「タスク・プロジェクト管理ツール」34.7%の順となっている。また、「RPA・自動化ツール」も18.2%となっておりAI・ロボティクスの活用が様々な業界・業種で進んでいるようだ。Web-APIを活用した開発実績は55.2%と半数以上だが「APIマネジメント・クライアントツール」の利用は17.2%にとどまった。

 顧客志向の「マーケットイン」概念の下、業務の効率化による開発工数や就業時間の削減が重要課題として認識され、エンジニアに求められるスキルも就業環境も大きく変わってきているようだ。(編集担当:久保田雄城)