訪日客、レンタカー利用が増加傾向。「道の駅」、多言語対応、決済手段が課題

2019年04月04日 07:02

画・訪日客、レンタカー利用が増加傾向。「道の駅」、多言語対応、決済手段が課題。

観光庁が「道の駅」におけるインバウンド対応の現状調査を実施。訪日客の7割が鉄道を利用し大都市に集中。レンタカー利用は12%、増加傾向。「道の駅」の認知度は19.4%と低い。言語等、対応強化が課題。

 訪日外国人観光客の数は政府の計画を上回る勢いで増加してきた。訪日客のうち中国、韓国、台湾、香港の東アジアからの観光客は全体の7割以上を占めている。これら東アジアからの訪日客の観光目的は主に買物であり、このため訪問先が東京、大阪、京都などの大都市に集中している。政府は地方創生などとも関連し訪日客を地方へと誘導したいと考えているが、ここで課題となるのが交通アクセスの問題である。

 こうした視点から観光庁は観光情報の発信や消費拡大等のインバウンド対応拠点機能が期待される「道の駅」の現状について訪日外国人旅行者を対象に調査を実施し、その結果を3月下旬に公表している。

 レポートによれば、訪日客の交通機関の利用状況は複数回答で「鉄道(新幹線除く)」が70%と最多で、次いで「バス」54%、「新幹線」29%などとなっており、主に主要幹線上の大都市を訪問していることを裏付けている。

 その一方で訪日客のFIT(個人旅行)化が進展しており、これに伴ってレンタカー利用が増加傾向である。レンタカー利用率は全体で12%だが訪日回数が増えるに従い利用率は増加し、訪日回数6~10回の者では利用率は21%となっている。鉄道網の乏しい沖縄ではレンタカー利用率が61%で最も多く、初回の訪問時点での利用率も56%と高くなっている。

 「日本には『道の駅』という道路施設があることを知っているか」という質問に対しては、「知っている」と答えた訪日客の割合は全体で19%と低いものであった。一方、レンタカー利用経験者では39%が「知っている」と答えており認知率は全体より高くなっている。しかし、「道の駅」を知った経緯については事前に認知していたわけではなく、「たまたま施設の前を通り」、トイレや飲食、土産のために利用した「通りがかり」の割合が70%で圧倒的多数となっている。

 沖縄での「道の駅」の認知度は33%で全国平均より高く、「知っていれば立ち寄っていたと思う」との回答が83%と大多数であり、「道の駅」を事前に認知させる取り組みが地方への誘導に効果があることを示唆している。

 「道の駅」の不満点については「観光案内の外国語対応が不十分」が16%、「免税対応していない」12%など、多言語対応やキャッシュレス対応、免税対応といった点に不満が多いようだ。観光庁では調査結果を手引き資料としてまとめ、全国の「道の駅」に配付し取り組み資料として活用してもらう予定だ。(編集担当:久保田雄城)