メルセデス、最上級クロカン4WD「Gクラス」に直6ディーゼル搭載車を追加

2019年04月07日 12:08

Archivnummer: SSPIP75567

1200?3200rpmという低回転域から最大トルク600Nmを発生し、9速G-TRONICを組み合わせて高い走行性能を獲得したメルセデスの究極クロカン「G350d」

 メルセデス・ベンツ日本は、メルセデス・ベンツの究極のオフローダー「Gクラス」に3リッター直列6 気筒クリーンディーゼル「OM656」型エンジンを搭載した「G350d」を追加し、予約注文の受付を開始した。納車は本年7月頃を予定する。

 Gクラスは1979 年、最高級クロスカントリービークルとして誕生したモデルだ。以来、基本的なスタイリングや堅牢なボディはそのままに、常に最適のパワートレイン、そして装備を加えながら進化を続けてきた。2018年には、大規模改良を受け、その伝統をメルセデスの最新技術でアップデートし、オンロードおよびオフロードにおいて最高のパフォーマンスを発揮する究極のオフローダーとして進化させた。

 今回追加するモデルは、バランスに優れ、コンパクトな直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載。欧州において導入されているRDE(Real Driving Emission、実路走行試験)規制に適合するなど、高い環境性能も併せ持ったモデルだ。

 OM656型エンジンは最上級セダンSクラス「S400d」などに搭載されている最新の直列6気筒クリーンディーゼルエンジンで、直列6気筒エンジン「M256」などと基本設計を共有する、モジュラーコンセプトを採用。最高出力は286ps(210kW)、最大トルク600Nmの発生回転数は1200?3200rpmと広く、0-100km/h加速は7.4秒に達する。

 同エンジンを搭載するにあたって可変エンジンマウントを採用。低振動で高い静粛性を持ちながら、スムーズな加速を実現したことで、長距離走行も大幅に快適になった。

 シリンダーブロックは軽量化のためにアルミニウム製となっているが、ピストンはスチール製となり、この熱膨張率の異なる素材を採用することで40%以上摩擦を低減した。また、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工を施した。

 また、ピエゾ・インジェクターを使用したコモンレール・ダイレクトインジェクション・システムは、最大圧力2500barまで高められている。また、冷却された高圧EGRと低圧EGRを組み合わせた「マルチウェイ排出ガス再循環(EGR)」を搭載しており、燃焼の最適化を図り、後処理を行なう前段階で窒素酸化物(NOx)排出低減を図った。

 なお、排出ガスの浄化システムはエンジンに近接し搭載したため、排出ガスの温度低下による浄化効率の低下を防ぐことを可能にした。ターボチャージャーから出た排出ガスは、まず酸化触媒へ送られた後、AdBlueが添加される。下流のsDPF(DPF with SCR Coating : 選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)で粒子状物質の捕集とNOxの低減した後、最終的にSCR触媒でさらにNOx処理を行なう。

 組み合わせたトランスミッションは、トルクコンバーターハウジングをアルミニウム製、ギアハウジングをマグネシウム製とした9G-TRONIC、9速オートマティックを採用した。前進ギアが2速分増えたにもかかわらず、従来の7G-TRONICと比較して1kg軽量化されている。さらに、増えたギアにより同じ速度でも高いギアを使ってエンジン回転数を低くすることが可能となり、消費燃料の低減に貢献する。

 新しい直列6気筒ディーゼル搭載の「G350d」の価格は1170.0万円だ。(編集担当:吉田恒)