韓国等へ輸入規制撤廃緩和を働きかける 菅長官

2019年04月12日 15:20

 菅義偉官房長官は12日の記者会見で、東京電力福島第一原発事故を受けて韓国が福島、宮城、岩手、青森、茨城、栃木、群馬、千葉の8県の県産水産物などの輸入禁止措置をとっていることを巡り、世界貿易機関(WTO)の上級委員会が韓国政府の対応に事実上の勝訴判断を下したことへの影響を聞かれ「政権交代から6年で農林水産物の輸出は4500億円台から9068億円に伸びた。2019年度中の1兆円が目標だったが、そこは完全に視野に入ってきている」と述べた。

 そのうえで「福島第一原発事故に伴う諸外国の輸入規制措置の撤廃や緩和は大変重要な課題だ。原発事故直後に54の国、地域で規制があったが、これまでに31の国・地域で撤廃された。今回の報告でも、日本産食品は科学的に安全で、韓国の安全基準をクリアしているとのWTO小委員会(1審)の事実認定は取り消されていない」とした。

 菅官房長官は「引き続き、韓国や関係国に対し、科学的根拠に基づいて、輸入規制の撤廃、緩和が進むよう粘り強く働きかけを行っていきたい」と語った。(編集担当:森高龍二)