期限内にテロ対施設できない場合、原発運転停止

2019年04月25日 07:17

 原子力規制委員会は原発に設置が義務付けられたテロ対策の施設建設期限の延長は認めないと24日決定した。設置期限に間に合わない原発は原則、委員会が「運転停止」を命じる。政府も原発規制は独立性の高い原子力規制委員会の判断に委ねると明示した。

 更田豊志委員長は24日の記者会見で「事業者の個別の意見を聞けと言われれば聞くことはあるが(延長は認めないとの)方針が適用されないということは恐らくない」と明言し、今回の方針決定に対し強い意志を示した。

 原発は再稼働に必要な原発の工事計画認可から5年以内に航空機事故やテロ対策などのための「特定重大事故等対処施設」の設置をすることが義務付けられている。

 また事業者がいう「状況変化」という言葉について「状況変化とは、極めて大きな自然災害があったとかいう場合であって、建築物を造るということに関して、岩盤が堅かったとかというのは本来、建設に際して考慮されているべきことであり、この時期になって状況変化というのはまっとうに考えて、考えにくい」とも指摘した。関西電力、九州電力、四国電力が期限延長を求めていた。

 工事計画認可から5年の満了日をみると、九州電力川内原発1号は来年3月17日、2号は5月21日。関西電力高浜原発3号は来年8月3日、4号が10月8日。四国電力伊方原発3号は21年3月22日など、期限の迫っている原発がある。この期限内に必要な施設ができなければ「運転停止」命令を受けることになる。

 今回の方針に菅義偉官房長官は同日午後の記者会見で「原子力規制については高い独立性を有する原子力規制委員会の判断に委ねるというのが政府の一貫した方針であり、その方針に変わりはない」と述べ、原子力規制委員会の方針決定を受け止める考えを示した。(編集担当:森高龍二)