韓国、福島などの県産水産物等輸入禁止を継続へ

2019年04月14日 09:20

 東京電力福島第一原発事故を受けて韓国が福島、宮城、岩手、青森、茨城、栃木、群馬、千葉の8県の県産水産物などの輸入禁止措置をとっていることを巡り、世界貿易機関(WTO)の上級委員会は韓国政府の対応を妥当とし、事実上の勝訴判断を下した。日本は上級委員会で判断が出たため、今後、対抗措置をとることができなくなった。

 河野太郎外務大臣は12日、李洙勲(イ・スフン)駐日韓国大使の来訪を受け「韓国が是正措置をとらなかった場合に日本が対抗措置をとることができなくなったことは誠に残念」との旨を伝えるとともに「今後は韓国との2国間協議を通じ、輸入禁止の撤廃を働きかけていきたい旨を伝えた」(外務省)。

河野外務大臣は同日「我が国としては上級委員会報告書の内容を分析し、今後の対応を検討していく。我が国としては韓国に対して規制措置全体の撤廃を求めるという立場に変わりはない。上級委員会の今次報告書を踏まえ、韓国との協議を通じて措置の撤廃を求めていく」との談話を発表した。

聯合ニュースは「韓国政府が(12日)WTOの判定を高く評価する」とし「日本8県の水産物はすべて、今後も輸入が禁止されると表明した」と報じた。

 また「日本産の輸入食品から放射能が微量でも検出される場合、追加の放射性核種17種に対する検査証明書も引き続き要求することになる」と韓国政府の方針が示されたことを伝えた。

 韓国の輸入禁止措置を巡って日本政府は2015年に韓国政府の対応は不当としてWTOに提訴。18年にWTO紛争処理小委員会はWTO協定違反として日本の主張を認め、韓国政府に是正勧告していたが、不服として韓国政府が上訴していた。(編集担当:森高龍二)