高齢ドライバーによる死亡事故のニュースが増えている。警視庁の統計を見ると人口10万人中の死亡事故件数は全ての年齢層の平均に比べ75歳以上では倍以上になっており、高齢ドライバーが死亡事故を起こしやすいということは事実のようだ。テレビやネット上では自動車免許定年制に関する議論も加熱している。
これに関連し、旅行代理店のエアトリが20~70代の男女1211名を対象に「自動車免許の返納」に関する調査を今月上旬に実施、その集計結果を17日に公表した。
「免許の返納について考えたことはあるか」という質問に対しては、「いつかは返納するつもり」と回答した者の割合は64.7%で最も多く、次いで「考えたことがない」が19.0%、「返納するつもりはない」8.8%、「迷い中」4.2%、「返納済み」3.3%となっており、「返納するつもり」、「返納済み」を合わせると7割の者は返納に前向きなようだ。
「返納は何歳ぐらいで行うか」という質問に対しては、「75歳」が32.7%と最多で、次いで「80歳」の26.0%、「70歳」が21.9%となっており、70歳から80歳に8割以上が集中している。
「返納するつもりはない」と回答した者に車を利用する目的を聞いたところ、「買物」が33.0%で最も多く、「旅行」が25.5%、「仕事」23.6%、「通院」4.7、「その他」13.2%と、やはり生活のために車が必需のようである。
「高齢者の強制的な免許返納制度」については、「一定の年齢で返納すべき」が39.0%で最も多く、次いで「どちらともいえない」が34.5%、「今のままで良い」が26.5%と約4割が強制返納すべきと考えているようだ。
「返納は何歳でするのが適切か」との問いには、「75歳」が32.8%、次いで「70歳」31.6%、「80歳」21.0%となっており、70代が6割を超えており70歳から80歳までに約85%となっている。
自由回答欄を見ると、賛成派では「取得には18歳以上ってあるから返納年齢も決めるべき」(70代・男性)、反対派では「自動車を運転しないと生活困難な環境となっている、または農業や漁業などでは生活できない」(50代・男性)などの意見が見られた。
単に高齢者を排除するのではなく、交通インフラ整備や事故を起こさないような環境整備が必要なようである。(編集担当:久保田雄城)