「上場企業の平均年間給与」上昇率。物価上昇上回る

2019年05月30日 06:35

画・「上場企業の平均年間給与」上昇率。物価上昇上回る。~商工リサーチ

東京商工リサーチが2018年決算「上場企業の平均年間給与」調査結果を発表。平均年間給与は7年連続上昇で初の600万円台、建設業がトップ。平均年間給与は606.2万円で1.1%増、8年間で7.5%上昇。

 賃金がなかなか上昇しないのは先進国一般での「ミステリー」だそうだ。しかし、日本においては円安以降、世界経済の回復とこの波及効果による内需回復で名目賃金は上昇傾向で推移してきた。

 日銀は2%のインフレ目標を掲げているが未だ目標を達成しておらず日本のインフレ率は十分なものでは無い。これと同様に賃金上昇も起きているというものの決して高い水準とは言えない。名目賃金に物価上昇率を考慮した実質賃金は勤労者全体ではプラスとマイナスの浮き沈みを繰り返している。しかし、上場企業においては確実に給与水準の上昇が実現しているようだ。

 27日、東京商工リサーチが2018年決算分の「上場企業2591社の平均年間給与」の調査結果を発表している。

 18年決算の上場企業2591社の平均年間給与は606万2000円となり前年より7万円増加し伸び率では1.1%の増加だ。消費者物価上昇率は1%に達していないので物価上昇を上回る伸び率と言うことになる。これは12年から7年連続で、8年間で7.5%上昇したことになる。上場企業2591社のうち平均年間給与が前年より増加したのは1614社で全体の62.2%と6割を占めた。

 ちなみに、平均年間給与の最高はM&AアドバイザリーのGCAの2063万3,000円で、唯一の2,000万円台、次いで不動産賃貸のヒューリックが1636万円となり、事業承継や都心部での再開発など不動産業界での活況を反映した結果となった。以下は総合商社が続き1000万円以上の企業は31社で過去最多を記録した。

 業種別に見ると、人手不足が深刻な建設業が718万7000円で前年比1.6%の増加と4年連続でトップとなり。一方、最下位は小売業の473万8000円であるというものの6年連続で平均年間給与自体は増加している。

 国税庁の民間給与実態統計調査の直近データ17年分によれば申告者全体の平均給与額は432万2000円で、うち正規雇用の者の平均は493万7000円となっている、これは5年連続で前年を上回る結果で、上場企業のみでなく全体として賃金は確実に上昇傾向で推移しているようだ。

 上場企業の平均年間給与と国税庁データでは17年時点で167万円の差がある。レポートでは「業績好調を背景に、上場企業の平均年間給与は上昇をたどっているが、中小企業は人材確保による人件費アップを避けられず、規模による収益格差は広がっている」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)