トヨタとSUBARU、EV専用プラットフォームで協働、電動SUV発売に踏み出す

2019年06月09日 10:09

Toyota SUBARU EV

トヨタが広報資料とともに公開したSUBARUと共同開発するミッドサイズ電動SUVモデルのイメージ

 トヨタ自動車とSUBARUはEV専用プラットフォーム開発で協働し、中・大型乗用車向けのC・DセグメントクラスのSUVモデルのEVを共同で開発することに合意した。両社が公式にリリースで発表した。SUBARUは、従来独自開発を中心に進めてきたEV開発を、今回の合意に伴い、共同開発へシフトさせる。これにより、技術・開発・調達などで効率化を図るとともに、魅力的なEV開発を目指す。

 なお、両社は、共同で開発した電動SUVを、それぞれのブランドで販売する予定だ。また、これらのプラットフォームおよび車両の共同開発においては、トヨタがサプライヤーなどと取り組んでいる電動化技術とSUBARUが長年培ってきたAWD(全輪駆動)技術を活用するなど、両社の持つ技術の強みを持ち寄ることで、魅力あるEVづくりにチャレンジしていくとしている。

 自動車業界はコネクティッドや自動運転、シェアリング、電動化などの側面で新技術開発に伴う変革期にあり、「CASE」と呼ばれる新しい領域への対応など、これまで以上に幅広い領域で、スピード感を持った技術開発が求められている。

 今回の2社の合意は、これまでの両社が深化させてきた協業のなかでも、対応が急がれるCASE領域の「E」の部分、つまり電動化(Electric)についての新たな協業に合意したということだ。

 EV商品化においては大容量電池を開発・搭載が必須であり、普及に際しては異次元の電池供給量が求められる。同時に、これまでのアプローチとは違った販売手法が必要となる。

 両社は、多様化するニーズやさまざまな課題にスピード感ある対応するために、業界の垣根を超えて取り組むことが必要だとして、両社がお互いの得意とする技術を持ち寄り、可能な部分は協調することで、その製品化を加速させながら、EV専用プラットフォームを共同開発するという。

 開発するプラットフォームは、CセグメントからDセグメントクラスのセダン、SUVなどの複数車種への幅広い応用、効率的に派生車開発にも対応させる。

 トヨタとSUBARUは、2005年に業務提携して、2012年には共同開発したFRスポーツカー「TOYOTA 86」「SUBARU BRZ」を発売。2018年にはトヨタの持つハイブリッド車技術を活用したSUBARUのプラグインハイブリッド車「CROSSTREK HYBRID」を米国販売するなど、開発・生産・販売など様々な分野での協業を深めてきた。(編集担当:吉田恒)