金融審議会の試算「不正確で誤解与える」と総理

2019年06月12日 06:06

画・公的年金、支給年齢の選択制。「賛成」5割。60代で受給希望7割。

金融庁金融審議会は65歳から年金収入のみで夫婦(男性65歳、女性60歳)が30年間暮らすのに必要な生活費は年金以外に月5万5000円が必要との試算を発表

 金融庁が老後の生活費のために年金以外に個人で「2000万円」を貯蓄する必要があると解される報告書を出したことに立憲民主党の蓮舫副代は10日の参院決算委員会で「公的年金制度100年安心は嘘だったのか」と追及した。

 金融庁金融審議会は65歳から年金収入のみで夫婦(男性65歳、女性60歳)が30年間暮らすのに必要な生活費は年金以外に月5万5000円が必要との試算を発表。この計算では年金のみの収入しかない場合、20年暮らすには約1300万円、30年暮らすには約2000万円足りない計算になる。

 安倍晋三総理は審議会の報告書の試算について「不正確で、誤解を与えるものだった」としたうえで、年金100年安心は嘘だったのかとの追及には「マクロ経済スライドで100年安心の制度ができた。公的年金の積立金は6年間で44兆円の運用益が出た。公的年金の信頼性はより強固になった」と答弁した。

 また蓮舫党副代表は「年金が本当に100年安心かどうか、5年に1度の財政検証をしっかり審議することが重要。10年前は2月23日、5年前は6月3日に公表されている。今年は何故まだ未公表なのか」と早期の公表を求めた。

 蓮舫副代表は「先日の野党合同ヒアリングで必要なデータは全部そろっていると聞いている」とし「発表が遅れれば国会で審議する時間が減っていく。参院選後に出すつもりか。安倍総理には出していただけることを約束していただきたい」と参院選前に公表するよう求めた。しかし、安倍総理は「厚労省で作業が進められている。厚労省で必要な検証作業が終わり次第、公表する予定だ」とし「政治的に出す、出さないではない」と政治的意図がない旨強調した。(編集担当:森高龍二)