岩屋毅防衛大臣は16日の記者会見でホルムズ海峡を航行する船の安全確保への自衛隊派遣について「現段階で派遣することは考えていない」とした。
岩屋防衛大臣は「ホルムズ海峡でのタンカーへの攻撃など緊張が高まっていることを非常に懸念している。ホルムズ海峡については、わが国のエネルギー安全保障上、極めて重要な地域であり、国際社会としっかり連携して情報収集を行うとともに、今後の情勢をしっかり注視していきたい」と述べた。
そのうえで、自衛隊の派遣は現段階で考えていないとした根拠について「日本が運用するタンカーが一度攻撃を受けたことは事実だが、その後、同様の事案は発生していない。情報収集をしっかり行うと同時に中東情勢全般をしっかり注視していく」と述べた。また、状況について「小康状態だ」との現況認識を示した。
岩屋防衛大臣はソマリア沖で海賊対処を理由に海上警備行動したが、ホルムズ海峡付近でも国や国準の組織による攻撃から日本の船を守るために海上警備行動を発令することは法的に可能なのか、と記者団に問われ「法的に可能かどうかは個別具体の状況を見て判断するもの。現時点で答えるのは困難」と述べた。ホルムズ海峡での対応は海賊対処と性質を異にするため、自衛隊を派遣するような場合には別途、時限法制定の必要が言われている。(編集担当:森高龍二)