参議院選挙(改選定数124)が21日実施され、自民・公明が71議席を獲得。改選議席の過半数を確保した。一方、改憲勢力は非改選を含め、憲法改正発議に必要な参院での3分の2議席(164議席)を確保することはできなかった。ただ不足は4議席だけ。今後の展開では微妙な情勢だ。
改憲を目指す安倍晋三総裁(総理)は21日夜のテレビ番組で「改憲の議論をしていけとの国民の声をいただいた。国会で議論が進んでいくことを期待したい」と語った。同じ与党・公明党の山口那津男代表は「わが党は現行の憲法を評価しており、加憲の立場。憲法の議論が進んでいるわけではないので、議論のできる環境をつくることが大事」と時間をかけ慎重に議論していくことで国民の理解を得ていくべきと改憲を急ぐ自民党、安倍総裁をけん制した。
今回の選挙では立憲民主党が議席を倍増する勢いをみせたほか、山本太郎代表率いる、れいわ新選組が2議席を確保。自らは議席を失ったが衆院への意欲をうかがわせた。一方、日本共産党はさきの衆院補欠選挙(大阪12区)で宮本たけし議員を、今回の選挙で辰巳孝太郎議員を失い、森友問題含め国会での論客の一角をなくしたのは痛い。社会民主党は吉田忠智前党首の国政復帰を果たした。このほかNHKから国民を守る党が1議席を得た。
1人区(32)での戦いでは野党候補が10議席を獲得し、前回並みに「野党統一候補」の戦いに一定の結果を出した。
124議席(選挙区74・比例代表50)の内訳では、自民党57議席(38・19)公明党14議席(7・7)立憲民主党17議席(9・8)国民民主党6議席(3・3)日本共産党7議席(3・4)日本維新の会10議席(5・5)社会民主党1議席(0・1)、諸派3議席(0・3)無所属9議席(9・0)だった。
この結果、非改選を含めた参院勢力は自民113(改選前勢力から9減)公明28(3増)立憲32(8増)国民21(2減)共産13(1減)維新16(3増)社民2(増減なし)諸派3(1増)無所属17(5増)になった。(編集担当:森高龍二)