プロも学生も電子工作に夢中になる! 「ROHM OPEN HACK CHALLENGE」の魅力

2019年07月28日 10:32

ハッカソン

ROHM OPEN HACK CHALLENGE 2019に先駆けて行われたハッカソン。40人近くのエンジニアや研究者が参加して、2日間にわたって作品づくりが行われた

 夏休みになると、小中学生の子どもを持つ家庭では自由研究の話題が食卓に上ることが多くなるのではないだろうか。でも、実は毎年この時期になると、ひそかに盛り上がる話題がある。それが「大人の自由研究」だ。子どもにとっては面倒な宿題でしかない自由研究も、大人には羨ましく思えてしまうもの。好奇心のおもむくまま、納得がいくまで興味があることに没頭できるのは、何よりも貴重で贅沢な時間だ。しかも、ただの趣味ではなく学びの要素が加わることで、知識欲も満たされる。それだけに、この時期になると子どもたちに触発されて、大人の自由研究を始める人が増えるのだろう。

 そんな大人の自由研究の中でもとくに今、 理系学生やエンジニアの中で人気が高まっているのが「電子工作」だという。普段の勉強や仕事の延長線のように思えてしまうかもしれないが、大学の研究室や仕事の現場では「自分の好きなことだけを研究する」機会なんて滅多にない。しかも、自由研究なのだから、些細なことや専門外のことでもテーマにできる。

 大人の自由研究の良いところは、子どもの夏休みの自由研究のように提出期限がないことだ。だから一生をかけ、ライフワークにすることだってできる。また、誰かに見せたり、評価を求めなくてもいいので、たとえ社会にとって何の役にも立たないようなくだらないテーマでも、思う存分、自分だけで楽しむこともできる。

 また、自分だけの自由研究で飽き足らない人や、あわよくばビジネスにもつなげたいと考えているような人には発表の場もある。例えば、電子部品大手のローム〈6963〉が2016年から開催している「ROHM OPEN HACK CHALLENGE」などが有名だ。

 企業が主催するハッカソンやプロトタイプコンテストは他にも数多く開催されているが、同イベントでは無償でロームのデバイス貸出を受けられる特典などの効果もあり、プロだけでなく、理系学生やアマチュアグループなどからの参加も年々増え続けている。また、応募者は 必要に応じて同社のエンジニアから開発アドバイスを受けられたり、優秀作品には日本最大のエレクトロニクス総合展であり大手からベンチャーまで最先端技術を誇る企業が集まる「CEATEC 2019」のロームブースで作品を展示してもらえたりするなど、手厚いサポート体制も用意されているので、事業化などを考えている場合には夢を大きく前進させる力となるに違いない。

 今年度は現在まさに応募受付中で、9月に最終審査会が開催される予定だ。それに先立って7月6、7日にはROHM OPEN HACK CHALLENGE 2019 公式のハッカソン(デバイスを使った試作会)開催され、40人近くのエンジニアや研究者が参加し、2日間にわたってローム製のセンサやマイコンボードを使った作品づくりを行って、大いに盛り上がりを見せた。

 何より、このROHM OPEN HACK CHALLENGEの面白いところは、垣根を設けず、初心者や学生、一般の社会人などの参加も歓迎している点だ。自由な発想からプロの作品を凌駕するようなものが生まれる可能性もある。たかが電子工作といえど、最先端のセンサやIoT技術を駆使した力作も増えており、ここで発表されたものが、将来的に社会を変えるようなこともあるかもしれない。

 今年の募集は8月5日にデバイスの提供申込が締め切られ、8月19日が応募の締め切りとなるが、電子工作経験者であれば今ならまだ間に合うだろう。また、これから電子工作を始めてみようと考えている人も、大人の自由研究の目標にして、来年度の参加を目指してみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)