成果問われる日ロ首会談、総理が9月訪ロへ調整

2019年08月06日 06:14

 安倍晋三総理は9月にロシアのウラジオストクで開かれる「東方経済フォーラム」に出席する方向で調整を進めている。菅義偉官房長官が5日の記者会見で明らかにした。日ロ首脳会談で日ロ間の課題を協議したい意向という。

 北方領土を巡る問題で安倍総理はロシアのプーチン大統領とは非常に良い関係だと強調しているが、そうした中でロシアのナンバー2・メドベージェフ首相が択捉(エトロフ)島に直近、上陸した。日ロ首脳会談が実現したとして、こうした問題に安倍総理がどのようなメッセージをプーチン大統領に行うのか、実効性のある交渉ができるのか、首脳会談での実ある成果が求められている。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長はメドベージェフ首相の択捉島訪問の受け止めを記者団に聞かれ「北方領土はわが国固有の領土。ロシアに不法占拠されている事実はまったく変わりない」としたうえで「つい先般、大阪で日露首脳会談が行われた。その直後にこのような暴挙に出たことに遺憾と言わざるを得ない。安倍総理は(プーチン大統領と)長年の懸案を解決するというようなことよく言われているが、(現実の状況は)今、まったく逆行している」と指摘した。

 そのうで「この数年、安倍政権は『北方領土は固有の領土』という表現もしなくなった。『不法占拠』という表現もしなくなった。こういった外交姿勢がロシア側に足元を見られているといっても言い過ぎではない状況をつくっている」と問題視。「この後どういう対応をロシアにするのか、政府に説明を求めていきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)