外交・2島返還の入り口にも着けず、対ロ外交

2019年07月17日 06:31

 北方領土問題。ロシアが「日米同盟の脅威」を理由に日ソ共同宣言に明記された歯舞・色丹の2島引き渡し協議入りにも応じず、拒否していた、と共同通信が報じた。「かつてない日米同盟」の結果、安倍外交は2島返還入り口にも着けなかったことを意味する。

 共同通信は「ロシア主導の交渉が続けば、さらに譲歩を迫られる恐れがある」と伝えた。交渉は今後、難航が予想され、相当な時間を要することになりそう。

 政府が北方領土について、ロシアとの交渉を意識し「日本固有の領土」との表現を避けてきた。安倍総理はプーチン大統領と親密な関係を構築してきたとしてきたが、日ソ共同宣言当時の同意よりも後退しかねない状況だ。

 立憲民主党の枝野幸男代表は日本固有の領土との表現を「北方領土は(日本)固有の領土であり、今、(ロシアによる)不法占拠状態にあるという言葉が言えなくなっているというのは、明らかに外交的に大幅な後退だ」と安倍政権の姿勢を問題視していた。

国民民主党の小沢一郎衆院議員は「経済支援3000億円で、結果がこれ。今や『日本固有の領土』という表現もなくなった。功名心や選挙目当ての浅はかな外交の結末。正に国益を損なう外交。この国は、ますますおかしなことになる」とツイッターに書き込んだ。(編集担当:森高龍二)