「NISSAN e-シェアモビ」の拠点、順調に拡大。福島県浜通りに新たに開設

2019年08月13日 17:28

NISSAN e-Share

福島県浜通りに開設した「NISSAN e-シェアモビ」大熊町ステーションを開設。福島イノベ構想は、東日本大震災及び原子力発電所崩壊災害によって失われた浜通り地域の復興・再生、産業基盤再構築を目指して取り組んでいる国家プロジェクトだ

 日産自動車は、福島県浜通り地域に新たな「NISSAN e-シェアモビ」の拠点、大熊町ステーション(福島県双葉郡大熊町)を開設したと発表した。

 この地域では、現在でも公共の交通インフラが不十分な場所が存在しており、今回の実証事業は、福島イノベ構想に関連する施設・拠点間や常磐線不通区間を結ぶ新しい交通ネットワークを形成するとともに、地域産業の集積と交流人口の拡大・推進を目的として実施する。日産自動車は、実証事業を通じて福島県でのカーシェアリングの導入効果や事業採算性、今後の持続的な実現に向けて課題と対策を整理し、福島イノベーション・コースト構想(福島イノベ構想)へ提案する。

 カーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」は、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構の「福島イノベ交通ネットワーク実証事業業務」のプロジェクト「はまモビ」の受託に伴い、昨年12月18日より福島県浜通り地域等での実証実験としての運用を開始した。今回、浪江、富岡、小高に続き「はまモビ」として4カ所目の開設となる大熊町ステーションに電気自動車リーフ1台を配備する。

 福島浜通りの大熊町は、東日本大震災後、福島第一原発事故の影響により、区全域に避難指示が出されていたが、今年4月に帰還困難区域を除き、避難指示が解除となった。今回の「NISSAN e-シェアモビ」は、大熊町住民の新たな移動手段のほか、今年4月に開庁した大熊町新庁舎への来訪者の交通手段として、加えて既存の公共交通機関を補完し住民の利便性を確保するために提供する。

 福島イノベ構想は、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域などの復興・再生、新たな産業基盤の構築を目指して取り組んでいる国家プロジェクトだ。

 これまで日産は、福島県双葉郡の8つの町村への多目的小型商用車「NV200バネット」の寄贈、いわき市や広野町、楢葉町、浪江町における従業員ボランティア活動の実施、浪江町での電気自動車の使用済みバッテリー再製品化専用工場(フォーアールエナジー株式会社浪江事業所)の開所など、福島県の復興に向けた様々な活動を取り組んできた。今後も、よりよい社会実現に向け、さまざまな分野での取り組みを進めるとしている。(編集担当:吉田恒)