昭和天皇 米軍駐留「已む得ず」地元には補償を

2019年08月21日 06:39

 NHKが公開した拝謁記で昭和天皇は駐留米軍について中国、ロシアを意識し、駐留は「已む得ず」(仕方ない)と受け止めていたほか、駐留地の地元民負担も「已む得ず」とし、負担する地元民にはそうでない全体で補償することにしなければ国として存立していく以上やりようないとの思いを示していた。

 拝謁記は初代宮内庁長官の故田島道治氏が昭和天皇とのやり取りを詳細に記録したもの。

それによると、昭和天皇は1953年(昭和28年)6月17日の拝謁で石川県内灘の米軍基地反対闘争に関連し「日本の軍備がなければ、米国が進駐して守ってくれるより仕方ハないのだ。内灘の問題などもその事思へば、已むを得ぬ現状である」と語ったことが記されている。

 また同年11月24日の拝謁でも「基地の問題でもそれぞれの立場上より論ずれば一應尤と思ふ理由もあらうが、全体の為ニ之がいいと分れば一部の犠牲は已むを得ぬと考へる事、その代りハ一部の犠牲となる人ニハ全体から補償するといふ事にしなければ国として存立して行く以上やりやうない話」としていた。(編集担当:森高龍二)