問われる小学館の姿勢、本回収すべきとの声も

2019年09月08日 10:38

 「韓国なんて要らない」と嫌韓を煽るような特集を掲載した「週刊ポスト」の回収を求めるなどの抗議活動が5日、週刊ポストを発行する小学館本社前(東京都千代田区)であった。参加者は100人を超えた。

 抗議活動では「ヘイト本で商売するな」「ヘイト本でメシを食うな」「活字で人を殺すな」などのプラカードを掲げ、社屋に向け訴えた。

 小学館は9月2日発行の「週刊ポスト」(9月13日号)で「厄介な隣人にサヨウナラ」「韓国なんて要らない」「嫌韓でなく、断韓だ」などと題した特集を組み、雑誌に執筆していた作家をはじめ、ネット上で批判が相次いだことから「配慮に欠けておりました。お詫びするとともに、他のご意見と合わせ、真摯に受け止めて参ります」とする謝罪のコメントを発表した。

 しかし配慮に欠けていたと認める発行本を回収するなど謝罪に見合う実効性のある対応は6日現在、していない。

 元神奈川新聞記者の江川紹子氏は週刊ポストの「お詫び」に「綿密な取材の末に確信を持って記事を出したのであれば、こういう展開にはならないだろう。また、同誌が筋金入りの『ヘイト雑誌』に移行しようという『覚悟』があるなら、断固突っ張るだろう。結局、同誌編集部にはいずれもなく、単に今の嫌韓の風潮に乗っかって、『軽い気持ちでやってしまいました』というものだったのだろう。だから『謝罪』も、吹けば飛びそうなほど軽い。」とネットで論評している。謝罪の気持ちが本物なら、9月2日発行の週刊ポストをすべて回収する姿勢が必要だろう。小学館の姿勢が問われている。(編集担当:森高龍二)