政府が自民党の上野宏史元厚労政務官=総裁派閥・細田派)の口利き疑惑を調査しないことに小沢一郎元自民幹事長で自由党党首だった小沢一郎衆院議員(国民民主党)は「総理は『あらゆる手段を尽くし悪質ブローカーを排除していく』ときちんと明言されておられる。ここまで言い切った以上『調査しない』とか逃げてばかりいないで、お身内のこのブローカー政務官議員から『排除』されてください。どこまで嘘をつき続けるつもりなのか」と政府に事実関係を調査し対応するようツイッターで求めた。
安倍晋三総理は昨年12月6日の参院法務委員会で、外国人労働者受け入れ拡大への出入国管理・難民認定法改正案審議の際、「あらゆる手段を尽くし、悪質ブローカーを排除していく」と強調していた。
上野議員を巡っては週刊文春が在留資格取得をめぐり法務省に少しでも早く許可が出るよう口利きするかわりに、人材派遣会社から1件につき2万円の口利き料を得ようと計画したとして報じ、録音データも公開している。上野議員は秘書から「あっせん利得」になると指摘されていた。その後、1件2万円ではなく「3万とか5万円とか」との発言も続報で報じられた。
上野議員は週刊文春に第1報が報じられた後、政務官を辞任。辞任時のペーパーによるコメントでは「記事にあるような、あっせん利得処罰法に触れる事実はありません」と否定し「政務官の立場にあることで誤解を招きかねないとのご指摘がある」と辞任理由を説明。しかし、8日現在までに記者会見を開いての正式な説明はしていない。上野氏の挙式媒酌人(仲人)が当時の自民党幹事長代理だった安倍現総理であったことも、政府が調査に入らない背景にあるのではないかとの見方もある。(編集担当:森高龍二)