東電旧経営陣3被告の刑事責任に「無罪」判決

2019年09月20日 06:38

東京電力福島第一原発事故を巡り「業務上過失致死傷罪」で強制起訴された東京電力旧経営陣3人(勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長)の被告に対し、東京地裁は19日、いずれも無罪の判決を下した。

 刑事責任が全く問われない判決に被災者らは「馬鹿げた判決だ」と怒りを隠せない。ネット上では「故郷を追われた人々の気持ち分かっているのか?たくさんの犠牲者が出た事故が想定外で済むのならば交通事故も想定外」との書き込みなど、判決を許せないとの反応が多い。

 日本共産党の志位和夫委員長は「許しがたい判決だ」とツイッターで発信。志位委員長は「政府が公表した地震予測『長期評価』をもとに『15・7mの津波襲来』の危険を知っていたにもかかわらず、対策を先送りし、大事故を引き起こし、おびただしい犠牲者を出した。これが無罪なら日本は無法・暗黒国家だ」と厳しく判決を非難した。

 また、菅直人元総理もツイッターで「東電幹部の刑事責任を問う福島原発事故裁判で被告全員に無罪判決が出た。納得のいかない判決」と発信した。

 菅元総理は「原発を襲う可能性のある津波の高さを『最大15.7メートル』と試算した東電子会社の社員証言があったにもかかわらず、それを無視して対策を打たなかった東電幹部の責任がなぜ問われないのか」と判決に強い疑問符を付けた。(編集担当:森高龍二)