トリチウム「脳腫瘍原因に」鳩山元総理が警鐘

2019年09月18日 06:19

 東京電力福島原発事故により毎日発生し続ける汚染水。放射性物質の「トリチウム」を政府基準に希釈して海洋投棄する案が処分案のひとつになっているが、日本の水質基準は「1リットルあたり6万ベクレル」とEUの指令「100ベクレル」、アメリカの「740ベクレル」に比べ、600倍~81倍と「基準が甘い」と基準そのものを疑問視する声が出ている。

 加えて、鳩山由紀夫元総理は「放射線に詳しい医者から聞いた」として「トリチウムは身体に無害との説もあるがとんでもない」とツイッターで発信している。

鳩山元総理はその中で「トリチウムはDNAに付いてしまい、脳腫瘍、白血病、がんの原因となる。水質基準は、EU指令は100ベクレル、米国は700余り、それに対し、日本は6万ベクレルと甘い」と指摘。「薄めて海洋放出すれば安全とはとんでもないことだ」と海洋投棄の選択肢を検討していること自体に警鐘を鳴らした。

 鳩山元総理のツイッターには「トリチウムは水素と化学的性質がほぼ同じですが、まったく同じではなく、脳の脂肪組織に蓄積しやすいことが判明しています。だからトリチウムがつくるガンでは脳腫瘍がもっとも多いようです」との反応や「日本、EUの600倍でも安全だって言っている。おかしくありませんか?」など疑問視する書き込みが上がっている。

 昨年、近畿大学工学部の井原辰彦教授らの研究チームが汚染水からトリチウム水を分離、回収する方法と装置を開発した報道があったが、汚染水の「海洋投棄」を対処の選択肢から外し、長期保管して井原氏らの研究成果の実用化に努めるべきとの声もある。

 汚染水処理を巡っては「汚染水放流の反対派は漁業関係者とわかるが、容認派はどう言う人なのだろう。どこに所属していて、背景はどんな人なのかをきちんと報道してほしい」とのツイッターでの書き込みや「処理水をタンカーに入れて、東電の原発の電気を一番使っていた東京の海に放出すればいい。これなら皆納得する」「福島の汚染水は高濃度のトリチウムだけでなく、ストロンチウムは基準値の2万倍越えが検出されている。もはや『風評』なんかじゃない」「原発処理水は原発推進派の飲料水にすればいい」などの書き込みもある。

 実際、汚染水からはトリチウムだけでなく告知濃度限度を超える「ストロンチウム90」や「ヨウ素129」、「ルテニウム106」、「クネチウム99」が過去数十回にわたり確認されている報道もある。(編集担当:森高龍二)