嘉手納パラシュート訓練、日米合意に違反と防相

2019年10月30日 06:18

 河野太郎防衛大臣は29日の記者会見で在日米軍から28日に米軍嘉手納基地での「パラシュート降下訓練」に関するノータム(米連邦航空局航空情報)が発出された件について「天候を条件として嘉手納でパラシュート降下訓練が度々行われていることは明らかにSACO(日米特別行動委員会)合意に反する。受け入れることはできない。SACO合意違反と言わざるを得ない」と嘉手納でのパラシュート訓練に対し強く米国をけん制した。

 パラシュート降下訓練はSACOの合意で、例外を除き、伊江島で行うのが原則になっている。しかし米軍は度々、嘉手納基地で訓練を繰り返している。河野大臣は「しっかりした説明がなされていない」と米軍の説明には納得できないとの認識を示した。
 
 河野大臣は今回の件について「ワシントンに連絡をとり、局長級の電話会談を行った」と語り「何度も天候が悪化し、予定訓練がかなりの期間、天候が悪くできないというようなことなら相談しなければいかんこともあるかもしれないが、今回のような、単なる例外的ということではいけない。ある面、由々しき問題、由々しき事態と言わざるを得ない」と強い懸念を示した。

 また河野大臣は「この問題は沖縄の首長さんからも現地で色々御連絡をいただいているが、きっちり対応できるようにしていかなければならない。年間の訓練スケジュールがあるわけで、天候悪化というのも当然、使用条件としてスケジュールが組まれていかなければならないと思う」と語った。

 嘉手納でのパラシュート訓練は今年に入ってすでに3回実施されている。河野大臣はSACO合意を遵守するよう求めていく方針だ。(編集担当:森高龍二)