河野太郎防衛大臣は31日夜の記者会見で同日、米国のデービッドソン・インド太平洋軍司令官との会談時に、米軍が嘉手納基地でパラシュート訓練を強行したことに対し「米軍の即応性を維持しながら日米同盟を強化していくために、地元の理解が必要だということを申し上げた」と地元理解を得るため、米軍には地元への配慮を行う必要を訴えた旨を語った。抗議はしていない。
河野大臣は「抗議と言いますか・・」と慎重な姿勢を見せ、地元の理解が必要という求めに対し「司令官も、そうした事情もよく理解されていると私は思っている」と米国への配慮を示し、29日の記者会見で日米合意違反だと強い姿勢で臨んだ時よりトーンダウンさせた。
また、河野大臣の発言に司令官がどう答えたのかについては「先方の発言を私が申し上げるのは差し控えたいと思います」と答えなかった。
在日米軍トップのシュナイダー司令官は訓練が行われた翌日(30日)「部隊の即応性維持に為に(訓練は)不可欠で重要だった」とのコメントを出していた。
ただパラシュート訓練は伊江島補助飛行場で訓練することがSACO(日米特別行動委員会)で合意されており、米軍は「伊江島の海象が優れず、伊江島補助飛行場での訓練が実施できない恐れがある場合」にのみ、例外的に嘉手納基地で訓練することになっている。今回の嘉手納基地での訓練が「例外的な場合」に該当するのか疑問符がついている。(編集担当:森高龍二)