ダイハツとトヨタが、新型の小型SUVとしてそれぞれ「ロッキー(ROCKY」」「ライズ(RAIZE)」を発売した。ダイハツの車両開発・生産手法「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づいて開発したモデルだ。
DNGAから生まれたクルマは既に、ダイハツの新型軽自動車「タント」としてデビューしている。新型「ロッキー」「ライズ」はその第2弾であり、同社がトヨタにOEM供給する初DNGA車両となる。DNGAプラットフォームにより軽量・高強度ボディで、クルマとしての高い基本性能を獲得したという。
この新型、2017年の東京モーターショーでダイハツが「DNトレック」の名で出展したコンセプトカーの市販版だ。ボディサイズが5ナンバー規格に収まる全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmのコンパクトな5ナンバーSUVである。
軽く高強度を誇る高張力鋼板の多用で高剛性・軽量なモノコックを得た新型車の重量は、FF車で970~980kg、4WDはプラス70kgの1040~1050kgに抑えられた。
パワーユニットは、ダイハツ・トールに搭載する1KR-VET型の1リッター直列3気筒ターボで、最高出力100ps/最大トルク14.3kgm発揮する。トランスミッションはCVTのみの設定だ。
駆動方式はFFと4WDで、4WDシステムは、ダイハツ開発した「ダイナミックトルクコントロール4WD」と呼ぶ電子制御4WDである。
この4WDシステムはドライ路面でも発進時や登坂時にリアに駆動力を配分し、雪道などの滑りやすい路面では定速走行中でもリアに駆動力を配分する。車重の軽さに加え最低地上高も185mmと十分にある4WD車、積雪地域などでのメリットは大きい。
予防安全性能については、新型タントが採用する「次世代スマートアシスト」を搭載した。「全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール」「スマートパノラマパーキングアシスト」(駐車支援システム)」などを含むタントのシステムに、死角検知機能(BSM)と後方を横切る車両を検知する機能(RCTA)の2機能を追加しているのが大きな違い。また、スマートフォンを活用したコネクテッドサービス「ダイハツコネクト」を初めて採用した。
価格は、ダイハツ車のロッキーが170万5000円から、トヨタ車のライズが167万9000円から。月間の販売計画はロッキーが2000台、トヨタ・ライズが4100台。生産はダイハツ滋賀工場で行う。ダイハツにとっては、1997年に国内販売を終了していた小型SUVの車名「ロッキー」が復活したこととなる。(編集担当:吉田恒)