立憲民主党、国民民主党、日本共産党など野党の国対委員長が11日、連絡会議を開き、公費で総理が主催している「桜を見る会」に安倍晋三総理の地元後援者らおよそ800人が内閣府から招待されたとの指摘に、総理の「私物化疑惑」が生じた問題で真相解明へ『野党合同調査チーム』の立ち上げを決めた。
桜を見る会は各省庁の推薦を受け、功労・功績のあった人らを招待するもので、招待者1人ひとりに内閣府が招待状を出している。調査チームでは(1)なぜ地元支援者が招待されたのか(2)桜を見る会の来年度予算要求が3倍以上になっているのかなど、実態把握を行う。
桜を見る会は参加費が無料で、樽酒などのアルコール類をはじめオードブル、お菓子、お土産などが振舞われている。安倍総理の下で年々招待者が増え、2014年に比べ2019年は1万8200人と1.3倍、支出額は5520万円と1.8倍に膨れ上がっている。
日本共産党の田村智子議員が8日の参院予算委員会でこの問題を取り上げ、「下関の安倍事務所に申し込んだら内閣府から招待状が来た、という複数証言がある」と指摘。安倍総理は「招待者の取りまとめには関与していない」と答弁。そのうえで「招待されたかどうかについては個人に関する情報であるため従来から回答をさし控えさせている」とし、招待者リストの開示を拒否。政府側は、資料は1年未満で処理できる扱いで存在していないという。
しかし総務省の標準文書保存期間基準では桜を見る会被招待者の選考経緯(選考基準・選考案・被招待者名簿)の保存期間は10年との指摘がある。
立憲民主党の蓮舫副代表は「安倍総理の桜を見る会問題は参議院予算委員会で取り上げられ、安倍総理、萩生田光一文科大臣それぞれに、後援会として参加したのか調査をしてほしいと要請、委員長が理事会協議事項とされました」とツイッターで知らせるとともに「被招待者名簿を1年で廃棄できるか確認」と確認するとしている。公費で賄う催しだけに招待者など、運用を厳格に行うのは当然。実態解明が求められている。(編集担当:森高龍二)