アルツハイマー型認知症の不安を解消する! 全世界が注目する、リコード法とは?

2019年11月29日 19:19

画・認知症の継続介護。介護者自身の精神状態維持に不安、6割超。

超高齢化社会に突入した日本にとって、認知症への対策は喫緊の課題だ

 超高齢化社会に突入した日本にとって、認知症への対策は喫緊の課題だ。

 厚生労働省の調べによると、認知症患者数は既に約500万人にものぼり、総務省が発表した2018年9月現在の人口3461万人に照らし合わせると、「65歳以上のおよそ 7人に1人が認知症患者」といえる。しかも、この人数は把握されているだけのもので、自覚症状がなく、認知症での通院履歴がない人や認知症予備軍の人も含めると、さらに増えることは間違いないだろう。

 厚生労働省でも2019年6月18日に認知症施策推進関係閣僚会議において「認知症施策推進大綱」をとりまとめ、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指し、「認知症バリアフリー」の取組を進めていくとともに、「共生」の基盤の下、通いの場の拡大など「予防」の取組を政府一丸となって進めることを発表している。

 そんな中、 アメリカのカリフォルニア大学神経学部の名誉教授で、神経変性疾患の世界的権威であるデール・ブレデセン博士らが提唱する「リコード法」という治療法が注目されている。

 認知症の中でも6割以上を占めるとみられるアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が壊死していくことで、その働きが失われていくという恐ろしい病気だ。これまでアルツハイマー病には確実な予防法は存在せず、しかも一度発症したが最後、治ることはないと言われてきた。

 アルツハイマー病は、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積することが原因だといわれているが、アミロイドβの蓄積を防ぐ薬を投薬しても改善されることはなかった。そこでブレデセン博士が着目したのは、アミロイドβが産生されるそもそもの原因を究明することだった。つまり、アミロイドβの蓄積を防いだり除去するのではなく、アミロイドβが産生される複数の原因に対するアプローチだ。その結果、博士は脳がダメージを受けると防御反応としてアミロイドβが発生するという事実を明らかにし、アルツハイマー型認知症の原因は単一的ではなく、複数の要因によるものであると解明した。そして、個人の症状にあわせて対策を取ることができるオーダーメイド型の認知症治療プログラムとして「リコード法」を開発したのである。

 ブレデセン博士によれば、脳にダメージを与えてアミロイドβの産生を促す原因は、食事や感染症などがもたらす脳の「炎症」、ビタミンやミネラル、ホルモンなどの不足による「栄養不足」、カビや歯周病などがもたらす「毒素」の蓄積など、大きく3つに分けられるという。つまり、薬で治すのではなく、日々の生活の中で何を食べ、どう生活するかでアルツハイマー病は予防、改善させることができるというのだ。

 ブレデセン博士の著書「アルツハイマー病 真実と終焉」は、2018 年に出版されるや否や、米 amazon ランキング 1 位、New York Times 誌、Wall Street Journal 誌でベストセラーを記録。世界 29 カ国で翻訳出版される大ベストセラーになっている。

 日本のメディアでも取り上げられることが増えている中、ブレデセン博士は11月11日に来日し、メディア向けにセミナーを行った。リコード法について紹介するとともに、日本における認知症対策について協力関係にある山田養蜂場とともに、認知機能低下の予防が期待されているプロポリスを主要成分としたサプリメントの開発を進めていることを発表した。

 山田養蜂場では、博士が提唱する「リコード法」に基づいた製品の開発や提供、カウンセリングサービスの提供のほか、全国のクリニックとの連携などを予定しているが、その第一弾として、ブレデセン博士監修商品「ノンアルツBee」を12月19日から世界に先駆けて販売することを発表した。これは、日本で入手困難なコーヒーベリー、ポリフェノールの一種であるクルクミン、インドでも古くから健康に役立てられているツボクサ、細胞膜を構成する主成分であるホスファチジルセリン、人気素材のイチョウ葉に、ブラジル産グリーンプロポリスを独自配合したもので、これら 5 つの天然由来素材の抗酸化力などを引き上げるシナジー効果をもつことが明らかになっており、特許出願もされている。

 これまで「治らない」と言われていた認知症に対する不安が解消されれば、老後はもっと豊かに、穏やかに暮らせることだろう。高齢化社会の大きな課題の一つが解決される日も近いかもしれない。(編集担当:藤原伊織)