気温が低くなりはじめると、肌の乾燥とともに、肌のくすみが気になり始める人は多いのではないだろうか。とくに近年、中高年の女性たちの間で話題になっているのが「黄ぐすみ対策」だ。
「黄ぐすみ」とは主に、糖とタンパク質が結びついて起こる「肌の糖化」や、活性酸素によって酸化した脂質がたんぱく質と結びつくことで起こる「カボニカル化」が原因となって、顔が黄色や茶色っぽく見えてしまう現象のこと。その結果、肌のツヤや透明感もなくなり、どんよりと老けた印象になってしまうのだ。さらに、糖化とカルボニル化は、肌のたるみの原因にもなるという。
ドクターシーラボ「顔のたるみ研究所」が、2018年に40歳から59歳女性417名を対象に実施したWEBアンケートの調査結果によると、黄ぐすみを意識したスキンケアを「行っている」と回答した人の約7割が、実年齢よりも「若く見られる」と回答していることが分かった。黄ぐすみを意識したスキンケアを行うことで、実感として若々しく見られていることが多いようだ。
そこで、美容メーカー各社も、この黄ぐすみ対策のスキンケア商品には力を入れ始めている。
例えば、防衛医科大学校皮膚科などと産学共同の研究チームによって「カルボニル化」を発見した資生堂〈4911〉は、同研究の中でオリーブ葉エキスに真皮タンパク質のカルボニル化を抑制する成分があることを見出した。同社のブランド「エリクシール」の化粧水、ホワイト クリアローションTなどでは、オリーブ葉エキスを含んだ成分、クリアコラEXを配合し、基本のケアでカルボニル化を防ぐことを提案している。
また、ローヤルゼリーやミツロウなど、ミツバチ由来の天然成分をコスメ商品に活用した「アピセラピーコスメティクス」が話題の山田養蜂場も、発売 11 年目となるローヤルゼリー配合ベースメイクシリーズ「BEE MAKE UP」を2020年2月から「美しく咲く肌」をコンセプトにリニューアルすることを発表。新生「BEE MAKE UP」は、これまで同様、ミツバチ由来の美容成分がふんだんに配合されているのはもちろんのこと、同社が独自に開発した「ビーメイクパウダー」を全アイテムに配合することで光をコントロールし、黄ぐすみを防止するという。
POLA〈4927〉でも、同社最高峰のエイジングケアブランドBAにおいて、よもぎから抽出した同社オリジナルの保湿成分「YACエキス」を配合することで、肌の弾力や柔軟性・黄ぐすみの改善を打ち出した、抗糖化スキンケアのラインナップを展開している。
今現在、黄ぐすみが気にならないという人も、油断はできない。黄ぐすみは甘いものを過剰に摂取することでも起こるとされているため、甘いもの好きを自覚している人は注意した方がいいだろう。こういう人たちは、今は大丈夫でも、黄ぐすみ予備軍である可能性が高い。まだまだ若いから大丈夫と安心しきって油断していると、いつの間にか肌が黄色く、透明感を失って、年齢以上に老けて見られていることになるかもしれないのだ。
肌へのダメージは、年齢に関係なく、日々、蓄積されていく。いつまでも若々しい肌の色とつやを保つため、早くから対策を心がけたいものだ。(編集担当:藤原伊織)