原発再稼働・新増設へ働きかけ? 経団連

2020年01月07日 06:16

 日本経済団体連合会の中西宏明会長は新年メッセージで改めて「原発」について「既設原発の再稼働やリプレース・新増設を真剣に推進しなければなりません」との考えを示し、「日本の化石燃料依存からの脱却を進め、地球規模の課題を日本がイノベーションで先導すべく、経済界が(施策実現へ)総力を挙げて取り組んでいく」とした。

 経団連は昨年4月に「日本を支える電力システムを再構築する」との提言を発表している。この中で「原子力発電についてはCO2の大幅削減といった地球温暖化対策の観点からも、安全性確保と国民理解を大前提に、既設発電所の再稼働やリプレース・新増設を真剣に推進しなければなりません」と既存原発の再稼働ととどまらず、新増設を図る取り組みを政府に求めていた。また「関係方面への働きかけを強化する」と提言に明記していた。

 提言では既設原発の再稼働やリプレース・新増設を推進することが「電力投資を活性化する環境整備」の一つであるとの考えを打ち出している。東電福島第一原発事故の汚染水処理水の解決策にも、除染による汚染土処理にも窮する中でリプレース・新増設を目指すなどあり得ない暴挙との声も出ている。野党が国会に提出している「原発ゼロ法案」の審議を通して、エネルギー政策の在り方を国会で議論していくことが求められている。(編集担当:森高龍二)